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魔法少女リリカルなのは Searching Unknown
第一話
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てくるデータと格闘しているところよ」
「退屈やなぁ、まぁそんなもんか。本来デスクワークの部署やもんな」
「危なそうなところだけ監査しにいくくらいかしらね、今のところないし」
「仕事熱心で何よりだわさ」
「その言葉、そっくりそのまま返してあげる。さっきの銀行、手柄挙げたらしいじゃない」
「流石に耳が早いなぁ自分」

 一時間も立たないほど直近のことなのに耳に入れていることには、二人とも素直にため息混じりで驚いていた。

「たまたまやあんなん。出てきたところがあそこやったからうまくいっただけや」
「運も実力のうちっていうでしょ。あるいはビギナーズラックかしらね」
「どっちでもええわ。何にせよ、はよ終わって俺らは休日をゆっくり楽しませてもらう」
「ああそうか、あなた達今日非番だったのよね?なんで出撃してたの?」
「たまたま一番近い場所にいたのが我々だったんですよ」
「なるほど、それで」

 納得したのか、視線を端末へと戻す彼女。それから三人はとりとめもない話を続けながら食事を待った。



 同じ頃、クラナガン市街にある公園で、サラリーマン風の男が肉体労働者風の男からデータチップのようなものを渡されていた。

「間違いないんだな?」
「ああ、長くかかって申し訳ないが、これが例の男のデータだ」
「よし、預かっておく」

 それを受け取って去ろうとするサラリーマンの肩を肉体労働者が掴んだ。不機嫌そうな顔をするサラリーマンは振り返らないまま口を開く。

「……まだ、何か?」
「おいおい、これは取引だろう?そっちのブツはどうした?」
「これが本物であると確認できれば引き渡す、そういう契約になっていたはずだが?」
「馬鹿を言うな、契約の時点では聞いてないぞ、そんなことは。自分だけ持って帰ろうなんてムシのいい話が通るわけねぇだろう」

 肉体労働者は決してその手を放そうとはしなかった。サラリーマンはため息をつくと男の方を向き、布に包まれた何かを肉体労働者の下腹部に当てて引っ込め、胸を力強く突き飛ばした。

「がはっ!?おいなにしやが……」

 するとどうしたことか、肉体労働者が突然うめき声をあげながら血を吐いて崩れ落ちた。サラリーマンはそれを無表情のまま眺める。

「”我ら”が貴様ごときにくれてやるものなど死以外あるものか。掲げる崇高なる目的がため、そして計画のため、無関係な市民であろうが多少の犠牲は止むを得んのだ」

 そう呟くと、既に物言わぬ屍となった肉体労働者を置いてサラリーマンは去っていく。スーツのポケットから取り出した端末を手早く操作し、どこかへとメッセージのようなものを飛ばすと、違うポケットからタバコを取り出してくわえる。

「山口直人に接近できさえすれば、我らが仇敵、フレディ=
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