第三章
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第三章
「これも修史さんの言葉よ」
「修史さんも罪ね」
「罪じゃないわ」
「じゃあ何かしら」
「事実よ」
毅然とした言葉だった。
「これは。事実だから」
「事実だって言い切るのね。何があっても」
「修史さんの言葉だから」
だから信じる。愛美にあるのはそれだった。
「だから。私は」
「信じるのね」
「その通りよ」
「容姿もかけ離れてるのに？」
「修史さんは私を奇麗だと言ってくれたわ」
「お世辞ね」
「お世辞じゃないわ」
またしても声の言葉を否定した。否定できたのだ。
「修史さんはそんなこと言わないから」
「何処までも信じるの」
「そうよ、絶対にね」
最早迷いは消えていた。顔にもそれがはっきり出ている。それまで俯いていた顔が上げられ前をしっかりと見据えその先にあるものを見ていた。
「信じるわ。修史さんを」
「そう。わかったわ」
声の声に微笑みが宿った。しかしその微笑みはこれまでの微笑みとは違っていた。
「信じるのね」
「その通りよ」
もう言葉には何の迷いもなかった。
「何があってもね。修史さんを信じるわ」
「だったら何も言わないわ」
「何も言わないって」
「貴方はあの方を信じている」
このことを確かに言う。
「それで充分だから」
「そうなの。それで」
「あの方を信じなさい」
これまでとはうって変わって優しい声になっていた。
「あの方をね。何処までもね」
「何処までも」
「あの方も貴女を信じているから」
このことも愛美に話してきた。
「だから。信じるのよ」
「ええ」
声の言葉にこくりと頷いたのだった。
「それじゃあ。何時までも」
「そうよ。そして最後に言っておくわ」
「何を？」
「横を見て」
こう愛美に言ってきたのだった。
「横を。貴女の横を」
「私の横を」
「そう」
静かだが有無を言わせない言葉だった。
「そうよ。横を見て」
「わかったわ。それじゃあ」
それを受けて横を向いた。左をだった。声が何処からか聞こえているのかはわからなかった。それは直感からだった。
そこにいたのは彼女だった。他ならぬ彼女自身がそこにいた。そうして静かな微笑みを浮かべてそこに静かに立っていたのだった。
「私が・・・・・・」
「貴女は私よ」
微笑んで愛美に言ってきた。
「そして私は貴女」
「貴女は私、私は貴女」
「そうよ。貴女は貴女と話をしていたのよ」
「私と」
「不安だったのね」
「ええ」
自分自身に対してこくりと頷いた。
「そうだったわ。本当に来られるのかどうか不安で」
「そうよね。来るかどうか」
「けれど。来られるわ」
しっかりと自分自身を見据えて答えた。
「絶対にね。何があってもね」
「そうよ。もう
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