暁 〜小説投稿サイト〜
戦国異伝
第百八十一話 諸法度その四

[8]前話 [2]次話
「勝つ方法はありますな」
「武田、上杉にもな」
「数に」
「それに具足の質もじゃ」
 このことも、というのだ。
「これもじゃ」
「そうですな」
「長槍に弓矢もじゃ」
 そうした武器もだというのだ。
「よいものにしてこそじゃ」
「勝てますな」
「そうじゃ、だからな」
「ここはですな」
「既にそちらも揃えておる」
 具足や長槍等もだというのだ。
「兵が弱くとも勝つぞ」
「それでは」
「ではな、暫く皆の者には政に励んでもらう」
 こう言ってだ、そしてだった。
 織田家の主立った者達は今は政と次の戦の用意に励んだ。そうしてそのうえでだった。信長は本願寺との和議が切れる間もなくになって家臣達に言った。
「出来たな」
「はい、遂に」
「出来もうした」
 家臣達もこう信長に答えた。
「お待たせしましたが」
「ようやく」
「よくやってくれた、ではな」
「今よりですな」
「あれ等を全て」
「うむ、公にしてじゃ」
 そうしてというのだ。
「天下に知らしめようぞ」
「今より」
「そうしますな」
「その通りじゃ、ではな」
 こうしてだった、信長は平手が差し出した巻きものを受け取った。それは数巻あったが信長は全て水から開き読んだ。
 暫く読み全て読み終えてからだ、信長は家臣達に述べた。
「よいぞ」
「有り難うございます」
「では」
「これよりこれ等を天下に知らしめる」
 公にして、というのだ。
「よいな」
「はい、さすれば」
「今より」
「うむ、ではな」
 信長は彼等にこう応えた、そして。
 その全てが天下に知らしめされた、それはというと。
 顕如は石山においてだ、それを聞いて驚いて声をあげた。
「諸法度とな」
「はい、武家にです」
 まずは他ならぬ彼等自身にだった。報告をする僧侶が述べた。
「そして宮中並に公卿の方々に」
「我等にもじゃな」
「寺社にもです」
 その三つにというのだ。
「それぞれ法となる諸法度を出してきました」
「それで来たか」
「民達にもです」
 彼等にも、というのだ。
「御触書を出しております」
「天下を法で治めるつもりじゃな」
「どうやら」
「その諸法度の中身を見たい」
 すぐにだ、顕如はその僧侶に言った。
「よいか」
「はい、それでは」
 すぐにだ、その僧侶は顕如に数巻の巻きものを差し出した。そうしてそのうえでだ、顕如はその巻きものを読んだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ