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戦国異伝
第百八十一話 諸法度その二

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「よいな」
「畏まりました、それでは」
「姫路城もほぼ出来た」
 播磨のその城のことも話した。
「あの城を拠点としてな」
「そして、ですな」
「陸から迫る毛利の軍勢を」
「うむ、破る」
 そうするというのだ。
「陸の方でもな」
「毛利元就自ら出て来るとか」
 こう言ってきたのは蒲生だった。
「主が」
「あの謀神がじゃな」
「はい、ですから」
 元就のことをだ、蒲生は危険を感じている声で話した。
「あの者の謀にはです」
「気をつけねばな」
「刺客や毒も」
 そうしたこともだというのだ。
「危ういので」
「そうじゃな、そうしたこともな」
「お気をつけ下さい」
「そのことについてはです」
「我等が」
 毛利と服部が言ってきた、ここで。
「何としてもです」
「殿をお守りします」
「頼むぞ」
 信長も彼等に応えた。
「その時は」
「はい、お任せ下さい」
「殿は我等が何があってもお守りします」
「そしてです」
「我等もです」
 今度は池田と森だった、軍勢で信長の周りを常に固めている彼等もだ。
「殿をお守りしています」
「例え毛利が何をしてきても」
「殿には指一本触れさせませぬ」
「ご安心下さい」
「うむ、御主達がいればな」
 信長は四人の言葉を聞き微笑んで言った。
「わしの身は安泰じゃな」
「ですからご安心下さい」
「我等がおりますので」
 また言う毛利と服部だった、確かに信長の周りには彼等がいる。そしてだった。
 蒲生もだ、彼等の言葉を聞いて言った。
「左様ですな、殿には毛利殿も服部殿もおられますし」
「うむ、それにな」
「池田殿と森殿も」
「だからじゃ」
 それで、というのだ。
「わしも用心するしな」
「だからですな」
「あの謀神が何をしてきてもな」
 毛利元就、彼がそうしてきてもというのだ。
「わしの身は守れる」
「それでは」
「毛利とも雌雄を決する」
 この家とも、というのだ。
「必ずな」
「そうされますな」
「うむ、そして山陽と山陰も押さえ」
 そして、というのだ。
「東国もな」
「あちらの国々もですな」
「手中に治める、そしてな」
 そうしてというのだ。
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