第二十四話 麗しき和服その十六
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「トリカブトだからな」
「少しでも触れるとですね」
「それこそかすってもな」
相手の攻撃がだ。
「それだけでもな」
「毒を受けてですね」
「ああ、洒落にならないことになるからな」
「そうですね、相手の攻撃を受けずに」
「闘ってくれよ」
「そして勝ちます」
「勝って下着買いに行こうな」
「はい」
桜は後ろから声をかける薊に振り向きはしなかったが声で応えた、そうしてだった。
怪人との闘いに入る、ここでだった。
怪人から仕掛けて来た、間合いは五メートル程離れていたがその間合いを考慮していないかの様にだった。
その右手を前に突き出した、すると。
その右手の手の平から茎が大きく出て来た、その茎が。
槍の様に桜を襲った、それで桜を貫こうとする。しかし。
桜はテニスのフットワークでその突きをかわした、そしてだった。
右手のレイピアを振った、テニスのラケットの動きで。するとそこから。
風の刃が出た、その刃がだった。
怪人を襲う、だが。
怪人は左手を己の胸の前に出して手の平で円を描いた、すると。
その円が茎の盾となりだ、その盾でだった。
桜が出した風を防いだ、薊はその一部始終を見て言った。
「へえ、毒だけじゃないんだな」
「この通りだよ」
怪人は笑って薊に返した。
「僕はね」
「攻防備えてるっていうんだな」
「そうだよ」
「それでだよな」
「勿論毒もあるよ」
これは絶対だった、トリカブトであるが故に。
「君達でも僕の攻撃を少しでも受けるとね」
「終わりですね」
「そうだよ。死ぬよ」
その通りだというのです。
「まさにかすっただけでね」
「そうですね、しかし」
「しかし?」
「それならばです」
微笑みさえ浮かべて言う桜だった。
「かすらなければいいだけ」
「おやおや、余裕だね」
「余裕ではないです」
「じゃあ何かな」
「事実です」
攻撃をかすらなければいい、そのことはというのだ。
「ですから。貴方の攻撃はです」
「かわしてかな」
「はい、そして私の攻撃は」
それはというと。
「当てさせてもらいます」
「随分言うね」
「自信がありますので」
やはり微笑みのまま言う桜だった。
「ですから」
「じゃあどうするのかな」
「それはすぐにおわかりになります」
「闘っていれば」
「そうです」
その通りだと言ってだ、そのうえでだった。
怪人はまた攻撃を放った、だが。
桜はその茎をテニスの動きでかわしてレイピアを振って風の刃を放つ、しかしそれは怪人が出した茎の盾にまた防がれた。
この攻防が何度かl繰り返される、しかし。
その流れは変わらず互角だった、だが。
その闘いを見てだ、薊は裕香に言った。
「この勝負な」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ