GGO編
八十七話 Link start to G
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んなことを思っていると、安岐が突然涼人の肩やら脇腹やらを触り始めた。
「わとと……」
「おっ、ちゃんと食べてるみたいじゃない。上々上々。食べ過ぎてふとらないようにねー」
「はは、うぃっす」
お次は、と言った様子で和人に触れる安岐を見ながら、涼人は苦笑しつつおくにある椅子を見た。
リクライニング式の椅子に、アミュスフィアが備え付けてある。その横には……心電モニター装置が備え付けられている。自分達の心臓に何か異常が有れば、即座に安岐さんが対応してくれる訳だ。
「安全……ね」
少し苦笑してから、後ろで安岐さんとなんやかんや言っている和人に目を向ける。
「おい、美人さんとなんやこんやしてるのは良いが、さっさといかねぇと日が暮れるぞ」
「あのなぁ……」
そう言うと、涼人と和人は上半身裸になり、安岐さんに電極を張り付けてもらう。
「ちなみにこれ、寝てる間に風邪ひくとか、無いっすよね?」
「おや涼人君、君は現職のナースを何だと思ってるのかな?」
「ですよね〜」
ハハハと笑って、涼人はアミュスフィアをかぶる。隣の和人もじゅんびOKだ。
「んじゃ、行ってきます」
「いってらっしゃい」
スゥッと、一つ息を吸う。胸にあるのは、不安よりも高揚感。ALOに始めて行った時と同じ、新たな世界への期待と、胸の高鳴り。
「「リンク・スタート!」」
いつも通りのキーワードと共に、彼らの意識は飛び立った。
────
降り立った場所で、先ず初めに目に入ったのはオレンジ色の光だった。夕焼け空。外がまだ青空だったせいか、少しだけ違和感を感じないでもない。
そうして、周囲に目を移す。ALOとは全く違う雰囲気と、そして匂いを持った街。
背の高いコンクリートと鋼鉄の建物がそこらじゅうにそそり立ち、無数の空中回廊がそれをつなぐ。あらゆる場所から照らされるネオンの光と照明、街灯が世界をより一層明るく照らし、一見しても何が何やらさっぱりなごちゃごちゃとした街づくりは、どこか電気街の裏通りを思わせる。地面は当然、鉄板で加工されていて、歩きやすいが土の感触は感じない。道行く者たちの靴音とざわめきはBGMとなり、そんな混沌とした、しかしどこか統一性を持った世界を表す一部となる。暑苦しく、むさくるしい男達が、腰に銃をつりさげて歩いて行く。近未来的で、けれども余り秩序を感じない。そんな世界。
「へっ……良いねぇ……」
SBCグロッケン。それが、この街の名だ。
────
「すっげぇな……」
隣から声がして、涼人は隣を見る。状況から察するに、今この場に居るのは自分で無ければキリトだろう。そう思っていた。
そこに……一人の少女が居た。
「……あー、お嬢さん、どちらさま?」
透き通るように白い顔、長い黒髪、線の細い顔立ちに
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