二十八話:人探しでござる!!
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とでしょうか……先程まで憎悪の籠った目でゼノヴィア殿を見ていたあの祐斗殿が
気を使って話を変えようとしています……何と言う不遇っぷりでしょうか、ゼノヴィア殿。
「あ、ああ……そうだな。今はイリナはいないんだ、そうイリナはいない。」
アーシア殿とクローム殿に支えられながら起き上がりブツブツとそう呟くゼノヴィア殿。
イリナ殿………恐ろしすぎます。
もう『最恐の悪魔祓い』と呼んだ方がいいかもしれません。
「じゃあ、取りあえず、二手に分かれるとしよう。ちょうど今三人ずつに分かれているからそれでいいか?」
「拙者達はそれで問題はありません。」
こうして拙者、祐斗殿、小猫殿のチームと
ゼノヴィア殿、クローム殿、アーシア殿のチームで
二手に分かれることが決まりました。
そう言えば見つけたらどうするのでしょうか?
「すいません。ゼノヴィア殿、敵を見つけた場合はどうすればいいのでしょうか?」
「そうだ今はイリナはいないんだ。今はこの平穏を楽しもう―――おっと、すまない、もう一度言ってくれないか?」
何やら自己暗示をかけていたゼノヴィア殿が物凄く哀れに見えてきました
……どうか平和を掴んでください。
「ええと、どちらかが先に敵を見つけた場合はどうするのが良いでしょうか?」
「戦闘になれば嫌でも分かるだろう、気付き次第援護に回ればいい。」
「わかりました。」
確かに戦闘になれば嫌でも分かりそうですね。
さてそうと決まれば早速探し始めますか。三人で教会を出て外に歩いていきます。
小猫殿と祐斗殿と一緒に夜道を歩いて獲物が掛かるのを待ちます。
といっても中々現れてくれません。まあ待ち合わせもしてない相手に
広い町の中で会うなんて中々出来る事ではないですからね。気長にやるしかないでしょう。
「……探す場所を代えてみませんか?」
ただ歩くのに飽きたのか小猫殿がジト目でそんなことを言ってきます。
そう言われても相手の場所が分からない以上は絞れないのですが……。
そう言えば、祐斗殿は襲われたんでしたよね?
それなら相手の出現場所とかが分からないでしょうか?
「祐斗殿、フリードと戦った場所はどんな場所でしたか?」
「そうだね……確か人目に付きづらい場所だったと思うよ。」
人目に付きづらい場所ですか……
そうなると、今日イリナ殿がいた裏路地のような場所を探した方がいいですかね?
「分かりました、それなら人目に付きづらい狭い路地や廃墟などを重点的に探した方がいいですね。それでいいですか?」
「ああ、聖剣があるならどこにでもいくさ。」
「……分かりました。」
その後はわざと狭い路地を通って移動していきます。
拙者と祐斗殿は若干通りづらか
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