22:この中の誰かが
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ミルは……? あれからどうなったんです?」
「え? ……あら?」
俺の問いにマーブルは自分の膝の上を見て首を傾げた。
その膝の上に頭を乗せて眠っていたユミルの姿はどこにも無い。
「ええっと、あれからは特に何も……アスナちゃん達とずっと話してて、もう遅いから寝なさいと私が催促して。それから私は、動こうとすればせっかく熟睡してるユミルを起こしかねないから、どうしようかなーと思ってたら……このまま寝ちゃってたみたいで……」
傾げた頬に指を立てながら言う。
「ユミルの居場所に心当たりはありますか?」
階段を降りる前にユミルの部屋の前を通りかかったが、ドアノブには不在の札が掛けられていたのだ。ということは、ユミルはこの建物の中には居ない事になる。
だが、この質問にマーブルは思いの外すぐに答えてくれた。
「そうね、今は朝方だし……ユミルに会いたいなら、この宿を出て裏方に回ってみて。林を少し抜けた所に川が流れているから、ユミルは朝いつもそこで顔洗ったり歯を磨いたりしていたはずよ」
「く、詳しいんですね……」
それにマーブルは微笑みながらソファから立ち、手早く身に着けたエプロンと三角巾の紐を縛りながら言った。
「だって、この宿唯一の、可愛い可愛い常連さんですもの」
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