暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校の神童生
Episode31:暗躍
[9/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
だからまだ自分は未熟だと、隼人は今回の事故で思い知らされた。

「それでも、ありがとう隼人くん」

「…ど、どういたしまして」

向けられる純粋な感謝の意に、隼人は照れ隠しに頬をかいたのだった。



☆★☆★



午前中に行われたスピード・シューティングとバトル・ボードの両予選。隼人が見守る中、男子スピード・シューティングでは森崎が無難に予選を突破。対する女子は、雫がパーフェクトの成績で予選突破。隼人が観客席にいないことに気づいて不機嫌になったところをほのかが慰めるという一幕があったが、森崎と会話している隼人は知る由もない。エイミィと滝川という女子も予選突破し、女子スピード・シューティングの一高女子は全員が予選を突破したということになる。
バトル・ボードではほのかが達也による奇策を披露し、見事に予選を突破。しかし男子の結果は芳しくなかった。
そこで問題になったのが、男子の成績不振というよりも、エンジニアの存在である。スピード・シューティングの予選を通過した一高女子の、その何れもが、達也の手によって調整されたCADを使用していたのだ。恐らくこれ以降は、達也の存在もかなりマークされることになるだろう。特に、一高と優勝争いをしている三高では。

「みんな活躍してるなぁ……」

自称・本番で力が出ない人である隼人は、友人達の活躍に胃を痛くしていた。隼人の参加する競技は明日から始まるアイス・ピラーズ・ブレイクと、明々後日から始まるモノリス・コードの二種目。
モノリス・コードのようなチーム戦ならばあまり緊張せずに済むが、アイス・ピラーズ・ブレイクは完全な個人競技。注目が集まらないはずがない。更に、女子特有であるはずのピラーズ・ブレイクの『ファッション・ショー』の様相が昨年辺りから男子にも影響を及ぼし、皆が皆、個性的なファッションで参加することになっているのだ。それも隼人にとって気が重くなる要因の一つである。

「エイミィに頼んだ俺がバカだったよ…」

隼人のピラーズ・ブレイクは、羞恥心との戦いになりそうだった。



☆★☆★



「おめでとうエイミィ、雫」

「ありがと隼人!」

「ん、ありがとう」

結局、女子スピード・シューティングは一位が雫、二位がエイミィ、三位が滝川という、一高の独占で幕を閉じた。
隼人の賛辞に、程度は違えど揃って嬉しそうにする二人の女子の姿に、達也は「罪作りな男だ」と自分を棚に上げた感想を抱いていた。

「でも油断はダメだよ? 二人は明日のピラーズ・ブレイクにも出るんだから」

「それは隼人もでしょ。ちゃんと準備できてるの?」

「……まあ、完璧だよ…悪者認定されそうで怖いけど…」

「悪者?」

「いや、なんでもないです」

鈴音の
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ