Episode31:暗躍
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った。
「……多分、この眼も魔法の類であるはずだから、イメージをすれば……」
基本、俺の魔法は想像やイメージをすることで発動している。だから、より精密なイメージをすることによって氷の剣を創り出すことだって、雷の矢だって放つことができる。その法則に則っているのだとしたら、このイデアを見る眼だってイメージによるものであるはずだ。
だったら、イメージをしなければいい。いや、イデアが見えないイメージをすればいい。多分、根本的な問題の解決にはなっていないと思うけど、今はこれが限界かな。
「…うん、できた」
完全なシャットアウトはできていないけど、イメージをする前の八割くらいは見えなくなったと思う。
けど、その代償として並列思考の一つが使えなくなってしまった。今俺が一度に使えるマルチタスクの数は15〜16が限界。それ以上行くと、どうなるか俺でも分からない。けど、かなり危険な状態になる可能性はかなり高い。
「……マルチタスクの訓練もしないとな…課題は山積みだ」
しかし、気持ちが沈むことはない。むしろ喜んでいるくらいだ。だって、俺にはまだ伸び代があるのだから。まだ強くなることができるのだから。
「……明日は委員長の競技か…見に行かなきゃな」
わざわざ委員長自らが釘を刺しに来たのだ。これで見に行かなかったらなにされるか分かったもんじゃない。
それに、無頭竜がちょっかい出してきた時に迅速に動けるようにしておきたいから、様々な競技を見つつ会場を監視していた方がいいだろう。
☆★☆★
横浜・中華街、某ホテル最上階。金と赤を基調とした内装の部屋で、五人の男が円卓を囲んでいた。
「…どうだ?」
「道化師の支援があるからな、概ね順調だ」
「だが油断はできんぞ、会場にはあのトリックスターや青の妖狐がいる」
「青の妖狐か……確か、四月辺りに執行人が殺されていたな…」
男達が揃って思い出したのは、四月末に殺された執行人と呼ばれる暗殺部隊の男のこと。彼はかねてから裏切りの予兆があった男を追っていたが、その際『青の妖狐』と呼ばれる日本の暗殺者によって殺害された。死因は感電死。あの日あの場所に雷が落ちたという報告がなかったため、十中八九、青の妖狐の魔法によるものだろう。
その執行人が追っていた男の行方は不明。恐らく執行人共々殺されたと推測されるが、彼らが所属している組織が青の妖狐に目をつけられた事は確実だった。
「青の妖狐は道化師共に任せておけばいいのではないか?」
「ああ。勿論、そのつもりだが、奴らに頼ってばかりではいられん」
「調子づかれても面倒だしな。あの組織は我らと同等の一大勢力になりつつある」
「これからどうなる
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