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東方紅魔語り
第一章 紅魔館
Part3 十六夜 咲夜
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っていた。
 その拳は俺の顔面目掛けて飛んでくる。

「衝撃を0!」

 拳が吸い込まれるように、顔面へと突っ込んできた。
 重々しい音と共に、その拳は着弾する。
 だが、衝撃が0になったおかげか、ダメージは無くなり、体が仰け反る事すら無かった。

「さっきは避けたから少し希望を持ったんだけどね、これでもダメージは無いのかしら」

 多少残念そうに顔を歪め、咲夜は距離を取るために後方へ飛んだ。
 そちらの方がありがたい。このまま拳とナイフでラッシュされたら、能力が追いつかなくて敗れそうだ。
 この距離なら、距離を弄くって一方的にやれる。
 と思っていた矢先、今度は青色に輝くナイフが咲夜の手に出現した。

「これはどうかしら?」

 その青色のナイフは、青の薄いラインを描きながら此方へ突撃してくる。

「切れ味を0に!」

 ナイフならばやはりこれ。こうしてしまえば、後は機を伺うのみーーー。
 の、筈だったのだが。

「ガッッ!?」

 その青色のナイフは自分の体に触れた瞬間に起爆し、俺と共に辺りのものを薙ぎ払った。
 切れ味を0にしていただけの俺の体も、軽々と宙に投げ出された。
 数秒経つと、背から凄まじい衝撃が肉体を走り抜けた。天井が目の前に来ているから、恐らく床に叩きつけられたのだろう。
 ゴホッ、と咳き込みながら立つと、いつの間に近付いたのか、近くに咲夜が立っていた。

「へえ、分かってきたわ」

 笑みを浮かべ、咲夜は俺の脇腹目掛けて蹴りを放つ。

「衝撃を0!」

 腹部にその攻撃は直撃するが、ダメージは無い。
 そこへ、咲夜がナイフを振り下ろしてくる。

「切れ味を」

 即座にナイフの無力化をしようとする。だが、その瞬間、咲夜の背後に青色の何かが見えた。

 先程の未知の攻撃。

 それを捉えてしまった事により、どちらを無力化すればいいのか迷ってしまった。
 一瞬の迷いだが、それが決定的な隙となったのか、その青色のナイフによって自分の肉体が真後ろに吹き飛ばされる。
 痛みが肉体を蝕む。
 空を舞った肉体は、弧を描くように後方へ飛ばされていくと、そのまま壁へ叩きつけられた。

「ッ、くっ!」

 衝撃は無力化してある。壁に叩きつけられようが、ダメージは無い。
 あの青色のナイフも、殺傷能力はそこまで無いのか致命傷だけは負わない。
 だが、致命傷を負わないだけで、しっかりとダメージはあった。
 衝撃は無力化している筈だが・・・。

「移動速度を100に」

 とりあえず、相手が数で攻めてくるのならどうしようもない。ここは逃げの一手だ。
 足に力を入れる。
 目標は咲夜が入ってきた巨大な扉。
 タンッ、と地面を蹴る。
 視
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