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バカとテストと白銀(ぎん)の姫君
騒がしい春の協奏曲(四月)
第一章 小問集合(order a la carte)
第七話 完璧な聖女の家へ
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急かされながら僕は何となく思っていたことを言葉にしようと懸命に頭を働かせる。
「……そうじゃの、確かに妃宮は……」
そう言う秀吉は何か別のことを考えながら結論づけるようにまと…「あの、私がどうか致しましたか?」
「ええぇえぇ?!な、な何でも無いよ?」
ちょうどご本人が電話を終えて部屋に戻ってきた。
「明久…、お前それだと隠し事があるって言ってるもんだろ。」
ため息混じりに雄二に突っ込まれる。
「まぁ、お前にとって悪い話はしてないとは言っておく。」
「……そうなのですか?」
困ったような顔で僕らを見回していた妃宮さんは、やがてやれやれと言った感じで腰に手をあてた。
その一挙一動が優雅で、思わず見とれそうになったとき、隣の島田さんに膝を抓られた。
「同居人の許可は得られましたのですぐにお越しに成りますか?」
「あぁ、そうだな。今から行って一時間ぐらいご厄介に成ろうか。それぐらいでいいよな?」
それにしても。
「勿論ですよ、……あの吉井君どうかなさいましたか?」
「ん?明久、お前もそれぐらいで良いよな。」
「えっ?あぁごめんごめん、うん、それぐらいで良いよ。ありがとうね、妃宮さん。」
「これぐらいお安いご用です。皆さんのお役に立てて光栄ですよ。」
そう言いながら悠然としている妃宮さんはもはや神々(こうごう)しくすら見える。
「そういや、雄二と千早さんは何時の間にそんなに仲良く成ったんですか?知り合って間も殆どないのに、二人の距離がそんなに近いなんて羨ましいですよ。」
そういって雄二と妃宮さんを見比べる姫路さんは心なしか頬が赤く染まっていた。
あぁ、やっぱり姫路さんは雄二のことが……
ということは、昨日僕が見ちゃった手紙の相手は雄二なんだよね…
「どういう意味で言っていらっしゃるのかは敢えて聞きませんが……そうですね、代表には約束していただいたのです。その約束の履行を促す一環として、でしょうか。」
少し間が置いてから、いつもの柔らかい微笑みを混ぜながら妃宮さんが答える。
「何を約束したんだ雄二」
(ガスっ)
思わず反射的に雄二(バカ)に殴りかかってしまった。
こいつめ、姫路さんだけでなく妃宮さんまで誑かしていたのかぁ!
許さない許せない恨めしい羨ましいはこんにゃろうコロしてやる!!
「お前には関係ない事だ。」
(バキっ)
殴り返された、理不尽だ。こんなことが合ってもいいのだろうか。いやよくない。こうなりゃ徹底的に……
「ほら吉井、さっさと千早の家に行くわよ。」
島田さんに関節技を決められながら引きずり立たされる。
「では、参りましょうか。」
そういって妃宮さんは困ったような笑顔を浮かべながら僕らを先導してくれた。


そういえば下足箱で妃宮さんが固まっていたけれど何だったんだろう。
まぁ
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