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バカとテストと白銀(ぎん)の姫君
騒がしい春の協奏曲(四月)
第一章 小問集合(order a la carte)
第七話 完璧な聖女の家へ
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そうね。」
「………同じく。」
やっぱりこんな時間から集まれる場所は……
「…そう言えば、千早はアパートに妹と二人暮らしだって言ってなかったけ。」
「そうですね、みなさんを招いてもいいか、同居人の許可が得られましたなら来ていただいても何ら問題は有りませんよ。」
僕の所ぐらいだろうな。
「いいのか妃宮は、妹ってことは女二人の家だろ?」
いえ、僕は男です。
とも言うことはできず、強ばりそうになる顔を必死に笑顔で覆う。
「作戦会議をするのですよね?私もなるべく皆様のお役に立てればと思っておりますので。」
「いやいや、お主は既に先の戦の功労者じゃろ。」
「……謙遜しすぎ」
「まぁ、分かった。んじゃ参謀、確認してくれないか?」
「承知いたしました。」
一礼して僕は教室をまた出た。
ここ文月学園の教室は全般的に防音性に優れている。
それは例え我がオンボロ教室も例外ではない。(つまり壁だけは立派)
電話での口調が男言葉に戻してしまっても級友たちには聞かれないだろう。
携帯に表示される時計をもう一度見る、恐らく史の方が先に帰っているだろう。
部活動をしているかもしれないが、家に電話をかけてもし出ないようなら、メールでお客さんが来ることを伝えておけば大丈夫だろう。
「…………もしもし、史?」




「はぁ〜、妃宮さんって完璧だよね。」
妃宮さんが消えていった扉の方をぼうっと眺めながら僕はつぶやいた。
「そうじゃの、優秀な成績、新しい環境への適応力、品行方正な態度。どれをとっても一流じゃからの。」
「その上、胸あるし……」
「あんなに細いなんて考えられません……」
「まぁ、優雅さってのは家柄だろうな。妃宮ってことは臣籍降下とかじゃなきゃ名乗れないからな。」
みんなもそう思ってるんだなぁ、と思っているとそういえばムッツリーニが発言していないことに気づいた。
「ムッツリーニはどう思う?妃宮さんのこと。」
「……パンチラが無いのが致命的な減点」
やはり究極のエロスを追い求めるだけある彼らしい発言だ。
「なんだかさ、僕らとは次元が違うというか。もう完璧すぎて手出し出来ない存在なんだよね。」
それを聞いていた雄二がにやりとしていた気がした。
なんだろう、気持ち悪いものを見てしまった気がする。
「明久よ、次元が違うとはどういうことじゃ?」
秀吉に尋ねられた僕は、少し考えながら答えた。
「うーん……、ほら完成した絵とかさ。何か書き加えたら汚くなるじゃんか。そんな感じでこれ以上は無いって感じで……、こう付け加えられないぐらい完璧で…本当に聖女っていうのかな。完璧な感じで僕たちとは全然違って…気になるというか……」
「気になるってそれはどういうことですか、吉井君!!」
「そうよ、どういうことなのよ吉井!!」

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