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トワノクウ
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第十七夜 黎明の神鳥(一)
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た、とばかりに口の端を吊り上げた。

「六年前。君の世界の時間では君が産まれるよりずっと前。俺は彼岸を捨てて、あまつきで“梵天”として生きることを選んだ。だから彼岸の俺は死んだんだ。理解したかい?」

 若くして世を去った叔父。その真相は、目の前の彼。

 くうはぽけーっとしたが、我に帰り、慌てて背筋を正した。

「白鳳?」
「初めまして、緑おじさん。貴方のお姉さんの娘で、篠ノ女空といいます。大した取り柄もない娘ですが、姪として、よろしくお願いします」

 三つ指を揃えて頭を下げて、上げた。

 梵天は面食らっていたが、やがてゲンナリした様子で。

「……『おじさん』呼びはやめてくれ。今の俺は『緑』じゃなくて『梵天』だ」
「は、はい。梵天、さん」

 今度は満足げに、梵天は微笑した。
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