例えばこんな話を真面目に受け止めてくれたら嬉しいだろ
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
10月14日
今日は箒ちゃんにご飯を奢る約束をした日なので待ち合わせ場所に行くと箒ちゃんがナンパされてた。制服ではなく私服だが、スタイルがいいため凄く似合う。日本人離れしてるよね。しかしナンパには困っているようだったので助け舟を寄越す。
・・・・・・ナンパ男は中学時代の同級生だった。ゼゼーナンを一時期預かってくれていたいい奴である。俺の方を見て血涙を流しているが。箒ちゃんが俺の彼女だと勘違いしたらしい。いや、恋人いないし。可能性はないでもないけど。取り敢えずお金を握らせておいしいものでも食べてくるよう勧めておいた。・・・・・・いいのか、このお金の使い方。
行き先は高めの――というほどでもないが、それなりに本格的なイタリアンレストランである。トマトベースの酸味を絡ませた魚介入りパスタがおすすめで、とってもおいしい。但し、イタリアンなくせに店の改修代金をケチっているので中身は和風。その所為で初見の人からは敬遠されがちだが、味の方は確かなので世の中面白いものである。予約していたので個室を用意してもらっている。
食事をしながら、俺が留守の間に学園で起こったことを話したり、その逆を話したり、更には全然関係のないことを話したり。パスタも気に入ってもらえたし、機嫌も悪くないようで何よりだ。
の、だが。
実は・・・箒ちゃんに伝えないといけないことがある。この事は俺と母さんと、後は昨日に露呈したジェーンさんとオウカとニヒロと・・・その同僚さんしか知らない。伝えないという手もあるのだが、箒ちゃんの初恋を預かっている身として――正直、隠していると自分が辛い。
この事を知ったら箒ちゃんは俺の事を軽蔑するだろうか?そこまで行かずとも良い感情は抱かないかもしれない。そんな内容だ。口に出すのもちょっと辛い。だからノートにまとめて持ってきた。バクロ本である。
大切な話があります。これを読んでください。意を決してそう言った俺はノートを差し出して読んでもらった。最初は何事かとびっくりしていた箒ちゃんだったが、ノートを見て顔を真っ赤にしたり青くしたり息を呑んだり色々な顔をしながらそれを読んだ。判決を待つ罪人の気分で、彼女がノートを読み終えるのを待った。たった数分なのに、果てない時間に思えた。
こんな人間だと知って、それでも友達でいてくれますか?そう聞いた。
箒ちゃんは暫く硬直していたが、やがて――それでもお前はゴエモンだ、と言った。
ジェーンさんもそうだったけれど、どうして俺の周囲にはこんなにもいい人ばかりなんだろう。というと、お前がいい奴だからだ、と笑われた。何となくだけど、肩の荷が一つ下りた気がした。
他にも書くことがあったんだけど、今日はもういいや。寝よう。
10月15日
おとといの事をまだどこかで引きずっている
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ