第六章 正義の在り処編
第百八十三話 『黒幕、現る』
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んだよ! さぁ、さっさと殺せよ!」
モリアが大声でそう命令する。
それに対してリオンの返答は、
「……………できません」
「………あ?」
拒否の言葉であった。
モリアもそれで間抜けな言葉を零すのだからリオンの言葉はそれほどに意外だったのだろう。
「できません……私にはやっぱりできません………!」
「俺様に逆らうのかい、リオン?」
モリアが静かに怒りを再発させてきながらもリオンは言葉を続ける。
「お願いです! スバルとティアだけは、見逃して下さい!!」
「ほう………で?」
「私に出来る事なら何でもします! 息の掛かった最高評議会の残りのメンバーを全員殺せと言うなら必ず殺して見せます!
機動六課の隊長達を殺せと言うのなら殺します! 此処に来た一般客を殺せと言うのなら殺します!!」
リオンの本心からの言葉。
スバルとティアナを心から大切に思っているからこその言葉。
しかし、それはあまりにも………、
「だから!……だからっ…………スバルと……ティア……だけは………だけはぁぁぁっ!!!」
と、涙を流しながら何度も土下座の姿勢で頭を下げ、スバルとティアナの命を懇願する。
モリアはそれで少し「ふむ………」と考え始めて、
「ふむ……確かに親友を自分の手で殺すのは少々酷だったか……」
とモリアは先ほどまでの態度を一変させて優しい笑みを浮かべ殊勝な態度を取る。
それにリオンは希望が通ったと喜びの表情をとる。
が、実際は違う。
モリアはリオンの希望を引き裂くことを言い出した。
「ではコイツ等は俺様が直々に殺すとしよう!」
笑みを浮かべながらそんなことをのたまうモリアにリオンは脳が理解できなかったのか「え………?」と声を出す。
理解できなかった、理解したくなかった、でも目の前の男、モリアはそう言ったのだ。
それは真実でその手にどこからかナイフを取り出しスバルとティアナの二人に向かって歩を進めるモリア。
「やだ……やめて! やめてください! お願い! やめて!!」
「もう無駄だよーん! 俺様の決定事項は覆らないのだ!」
「だめー!!」
リオンがモリアに向かって駆け出すがモリアがまたなにかのコアを握りしめるとその場でリオンは倒れて動けなくなってしまった。
「ぐぅっ!?………誰か、誰かスバルとティアを助けて! お願い!!」
「無駄だよ! もうこれでエンドだ!」
モリアがナイフをまずはスバルに振り下ろす。
が、その時に一筋の閃光が瞬いた。
それは一直線にナイフめがけて向かってきて振り下ろしている時だというのに見事に弾いて、さらにはモリアの腕も一緒に逆方向に曲げてしまっていた。
「ぐぁあああっ!? だ、誰だ!? このパークロード内には管理局の人間
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