第一章 紅魔館
Part2 携帯
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しい。
『握力を100』にしたら異様に強くなり、『恐怖心を0』にしたら恐怖心が無くなる。
ゴクリと唾を飲み込む。
本当にそんな機能が備わっているのか・・・よくわからないが、試してみる事にした。
「距離を0に」
画面の表示が切り替わる。
扉のドアノブに向けて手を突き出した。距離は約10m。普通なら届かない距離だ。
だが、何か違和感が存在した。まるで掌に何かあるような、不思議な感覚。
その違和感を回すように、手首を捻った。
ガチャ
という音が聞こえる。見てみると、あんな先にあった扉が空いていた、扉の近くには誰もいない。
「マジか・・・」
絶句していた。
もはや恐ろしいとまで思えてきている。
なんなんだこれは?と。
「・・・移動距離を100に」
携帯の画面はやはり切り替わる。
そして、一歩目を歩いた。
すると、体が重力に逆らうように浮かび、空中を並行移動した。足はまだ床につかない。
ようやく足がついたと思ったその時には、既に20歩分くらいの距離を移動していた。
携帯の画面を確認して、そして確信した。
この携帯には、東方キャラのような能力がある。
「いや、だが」
なんで携帯如きにそんな大層な機能が?と言おうとした瞬間、先程とは違う巨大な扉が開いた。
フランが帰ってきたのか、と思い、凄い笑顔で出迎えた。
だが、その扉の前に立っていた人物は俺が思い描いていた少女では無かった。
銀髪の髪に、メイド服を着た女性。
その女性は自分を見た後、少し目を細めて部屋中へ視線を張り巡らす。
「・・・失礼ですが、妹様はどちらに?」
銀髪の女性は、完全に殺気を帯びた目で睨みながら尋ねてきた。
答えようとしたが、どこにフランが行ったのか、そんなもの知る由もない。
目の前の女性はこの流れで思うに、『十六夜 咲夜』。レミリアと呼ばれる館の長と、その妹であるフランドールに仕えるメイド長。
恐らく紅茶でも出しにきたのだろう。その手には銀のお盆、その上にはコップが置いてある。
ヤバイ、さっきの恐怖心とは別のベクトルでヤバイ。
なにがヤバいのか、それは『この場にフランが居なく、俺がいる』というこの状況だ。フランがいれば何か説明してくれるだろう。だが、この場に説明する人間はいない。
・・・今の咲夜の目には、『侵入してきた正体不明の男』という風に映っているであろう。
とりあえずここは誤魔化すとしよう。
「い、いえ、知りません。多分、外にでも出たんじゃないですかー?」
「そうですか」
咲夜の表情が爽やかな笑顔に変わった。
直後、一本のナイフが弧を描きながら襲いかかってきた。
「うおぁ!!??」
転がるようにナイフの軌道から外れる。
さっきまで自分の頭があ
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