第一章 紅魔館
Part2 携帯
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まれている。
「・・・そうか、床が脆かったんだな、うん」
恐らく脆くなり、その部分だけ弱かったのだろう。
別の場所に移動して離れるか。と思い、一歩を踏み出した。
・・・先程と同じ音と共に、床が潰れる。
「・・・」
足が床につくと同時に、その床が破壊されていく。
ゆっくりと携帯の画面へ目を向けた。
その画面には、『起動中、100』と表示されている。その隣には『重量』とも。
「・・・握力」
携帯に向かって発音した。すると、重量と表示されていた文字が『握力』に変わった。
足を踏み出す。すると、今度は何事もなく床を踏めた。
「・・・まさかな」
嫌な予感がするが、とりあえず近くの壁へ手を付いた。そして、握り潰すように、指へ力を入れる。
すると、指がコンクリートを軽々と破壊し、そのままその部位を抉り取った。
「・・・」
再度、携帯の画面へ視線を送る。そこには『握力 起動中、100』という表示。
まさかな、とは思う。だが、あまりにも現実的では無い。そう、いま自分が想像しているものが本当ならば、それはもはや完全に東方・・・。
「・・・いや、現実もクソも無いか、フランドールが目の前にいた時点で・・・」
そこまで言い、思わず頭上を見上げ、天井の表面を確認してしまった。そして、おかしな点をアッサリと見つけてしまった。
・・・何故、穴が空いていない?
ここへは落下して辿り着いた筈だ、となれば落下するための原因がある筈だろう。
改めて壁や床に視線を送る。
壁や床は完全なコンクリートで作られている。だが、あの不気味な家は木材で作られていた。
つまり、自分はあの不気味な家ではない、全く違う家の中にいる事になる。
そして思い出した。あの不気味な家の噂は、『神隠し』では無かったか。
それを認識した時、全身から汗が噴き出した。
ヤバイ、ヤバイ。あの噂は本物だったのか。俺はどこにいるのか。
心が恐怖心で埋め尽くされていく。もはや安心など出来ない。
ふと、手の中にある携帯に目を移した。
なんにでもすがる。まず、この恐怖心から逃げなければ。
「き、恐怖心!0!」
二つの言葉を、ただアプリを起動しているだけの携帯にぶつけた。
画面の表示が切り替わる。
『握力』から『恐怖心』へ、『100』から『0』へ。
ただそれだけだった。だが、ただそれだけで『恐怖心』が、まるで嘘のように消え去っていった。
額の汗を拭い、改めて部屋を調べ直していく。
初見の時は気付かなかったが、所々に物が置いてある。どうやらここは物置のようだ。
そこから少し奥に、扉が一つあった。
「・・・」
携帯の画面に目をやる。
にわかには信じられないが、この携帯には不思議な機能が備わっているら
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