暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
プネウマの花
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シリカはやむなくスカートから左手を離し、ツタの片方を掴むと短剣で切断した。
がくんと体が下がり、花の首根っこが射程に入ったところで、再度ソードスキルを繰り出す。今度は見事に命中し、巨大花の頭がコロリと落ちると同時に全体もがしゃーんと爆散。
ポリゴンの欠片を浴びながらすたんと着地したシリカは、振り向くやレンに訊ねた。
「…………見た?」
レンは何故か、どこか遠いところを見つつ、答えた。
「……人間だもの」
次の瞬間、レンの顔面に拳がめり込んだの音が響いた。
その後、五回ほども戦闘をこなしたところでようやくモンスターの姿にも慣れ、二人は快調に行程を消化していった。
一度、イソギンチャクに似たモンスターの、粘液まみれの触手に全身ぐるぐる巻きにされた時は気絶するかと思ったが。
レンは基本的に戦闘には手を出さず、シリカが危なくなると袖口から出した針でモンスターの
憎悪値
(
ヘイト
)
を稼ぐというアシスト役に徹した。
パーティープレイでは、モンスターにダメージを与えた量に比例して経験値が分配される。
高レベルモンスターを次々に倒すことで、普段の何倍ものスピードで数字が増加していき、たちまちレベルが一つ上がってしまった。
赤レンガの街道をひたすら進むと小川にかかった小さな橋があり、その向こうに一際小高い丘が見えてきた。道はその丘を巻いて頂上まで続いているようだ。
「あれが【思い出の丘】だよー」
「見たとこ、別れ道はないみたいだね」
「うん。道に迷うことはないけど、モンスターの量は相当だよ。気を引き締めていかないとね」
「うん!」
もうすぐ、もうすぐピナを生き返らせられる。
そう思うと自然と歩みが速くなる。
色とりどりの花が咲き乱れる登り道に踏み込むと、レンの言う通り急にエンカウントが激しくなった。
植物モンスターの図体も増すが、シリカの持つ長い短刀の威力は思った以上に高く、連続技のワンセットで大概の敵は落とすことができる。
想像以上と言えば、レンの実力も底の知れないものがあった。
ドランクエイプ二匹を一撃でほふるのを見た時から、かなりのハイレベルプレイヤーだろうとは予想していたが、あそこから十二層も上に来ているのに、メイン武器を出さずに余裕を失う様子もない。
しかし、そうであればあるほど、そんなハイレベルのプレイヤーが三十五層あたりで何をしていたのかという疑問が頭をもたげてくる。
何か目的があって迷いの森にいたような口ぶりだったが、あそこには特にレアアイテムやレアモンスターが出現するというような話はない。
この冒険が終わったら聞いてみよう、そう思いながらシリカが短刀を振るう間にも、弧
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