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日向の兎
1部
10話
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いか」
どれかを削ろうとも考えたのだが、ヒナタとハナビは言うまでもなく削れない。
ネジに関しては私の監視という仕事に対して多少は報いてやらねばならんし、サスケに至っては既に情報を聞いてしまったので反故にする訳にはいかん。
結局、どうあっても削れないという事が分かっただけだった。
いや、自己責任でしかないのだから諦める他ないか。我ながら、随分と人がいいというか安請け合いが多いというか、もう少し考えを巡らせるべきだったな。
「それはそうと、ヒジリ様」
カレンダーを眺めてうんざりしている私の後ろから、木製の箱を抱えたネジが私に声を掛けた。
「何だ?」
「俺の部屋に届けられたこの箱に詰められた無数の金属製の白い管はなんですか?ヒアシ様からは貴女の物だと言われたのですが……」
「ん?ああ、それか。それは私専用の、いや私考案の日向一族専用の忍具だ」
「日向の?」
「ああ、以前テンテンと話し合ってな。とりあえずの試作品だ、親父殿に許可を得た上で提案者は名義上お前という事にして鍛冶屋に頼んだのだ。
ああ、安心しろ支払いは宗家が済ませたから君が金の心配する必要はない。ただ、私に日向が直接金を出すというのは些か問題があるから君の名を借りただけだ」
「はぁ……それはいいんですが。これは一体どういう物なんですか?」
そう言ってネジは私に白い管を手渡す。私が受け取ったそれを無造作に振るうと、管は中に収納されていた管を出し、その管も同じように管を出して最終的に50cm程の管に変わった。
「ふむ、とりあえずの機能は果たせそうか」
「説明して貰えると助かるんですけど……」
「そうだな、私達が下忍になった時にでも見せてやる。それまで楽しみにしておくといい」




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