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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth16反撃開始・イリュリアを打ち砕け〜CounterAttackerS〜
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†††シグナム†††
今まで必ず護り抜いてきていたアムルを捨て、我々は今、隣街であるヴレデンに避難している。ヴレデンは幸運にもイリュリアの魔力砲カリブルヌス(オーディンがそう言っていた)の被害から免れており、ほぼ損害無し。
しかも王都の結界術師団や一個騎士団が駐屯しているため、反撃の為の戦力も十分だった。オーディンが騎士団の将たちと話を進めている間、我らグラオベン・オルデンは集まって今後の事について話し合っていた。が、「情けない話だ」嘆息しか出て来ない。
「そうよね・・・いくらみんなの魔力が戦闘を乗り越えるだけ無かったとは言え、逃げるしかないなんて・・・」
「それどころかアンナも助けらんなかった」
「しかし・・・仕方がなかった。あの場合は、一度退くのが賢明だった」
ザフィーラのその言葉にアギトが目を見開き、「そんな!」とザフィーラに詰め寄ろうとするのを「よせ」と止める。認めたくはないが事実だからだ。ターニャも言っていた事だが、あのまま無理に戦ったところで苦戦は必至。
いたずらに被害を生むだけだ。それでは今後の戦闘に支障が出る。ゆえに「態勢を整え、万全の状態で反撃に出るしかないのだ」そう言う。するとアギトは「だけど!」理解はしているが納得は出来ていないようだ。
「アギトお姉ちゃん。アイリはあまり事情とか判らないけどね。でもね、みんなの言う事は正しいよ」
「あたしだって・・・あたしだって、解ってるよっ! でもアムルはあたしにとっての大切な居場所だった!」
「ん? それは違うんじゃないの?」
「え・・・!?」
「アギトお姉ちゃんを見てると判るよ。アムルは確かに大切な場所かもしれないけど、アギトお姉ちゃんにとっての居場所って、アムルじゃなくてマイスターの側じゃないの?」
驚いた。新入りであるアイリがそんな事を言うとは。アギトどころか我々全員が呆気にとられている。アギトはアイリのその言葉で一気に冷静になったようで、「それでも、やっぱりアムルを見捨てたのは・・・心が痛いよ」声量を抑えて呟いた。
私とてアギトと同じ思いだ。我々の居場所はオーディンのお側。しかしアムルもまた居場所だ。アムルを取り戻したい。ここまで心が締め付けられるほどに何かを願う事など今までにあっただろうか。
「アギト。今オーディン達が作戦とか練ってるはずだからさ、もうちょっと辛抱だ」
「ヴィータ・・・・うん・・・」
ヴィータはオーディンのように小さなアギトの頭を撫でる。まるで姉妹のように思えてしまう。この愛おしい時間を守るためにも必ずアムルを取り戻し、イリュリアを倒さねば。決意を新たにしていると、ざわざわと周囲が騒がしくなってきたのに気付く。
どうやら騒ぎの原因は、王都ヴィレハイムからこちらに向かってくる戦船の艦隊
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