群雄割拠の章
第六話 「ぬわんですってぇ!」
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へと兵を向けて侵攻中です! 本日中にも先陣は平原まで辿り着くかと!」
「なっ……なっ……」
あまりのことに、私の頭の中は真っ白になっている。
と――
「も、申し上げます! ただいま、袁紹軍の使者を名乗る者が平原へ矢文を投げ入れてきました!」
「や、矢文!?」
「はっ! こちらに!」
と、兵が持ってきた手紙を受け取り、開く。
と、そこにはこう書かれていた。
「『先日の軍事演習、並びに数々の越境行為による挑発、許しがたし。司隷校尉にして車騎将軍たる袁本初は、貴殿の行為を宣戦布告とみなし、ここに戦端を開くものとする』……は?」
軍事演習? 越境行為?
なんのことだ?
「……司隷校尉はともかく、車騎将軍なんて……麗羽のやつ、いつからそんな役職になったんだ……?」
「伯珪様! 問題はそこではありません! これは宣戦布告です!」
「……っ!!」
そうだ。これは宣戦布告。
麗羽は……私を、平原を攻めてきたのだ。
「くっ……す、直ぐに軍を招集しろ! それと盾二を呼び出せ!」
「御意!」
私の命に、兵が慌てて外に出ていく。
私はそれを見送りながら、再びその手紙を見る。
覚えのない内容の書かれた文に、思わず頭を抱える。
一体何が起きているというのだろうか。
「ともかく、盾二と相談しなければ……」
時間はない。
けれども、どうしたらいいのか私にはわからない。
私は混乱した頭で、盾二を待ち続けるしかなかった。
覆水盆に返らず。
かの太公望が言ったと言われることわざ通り。
私の身に起こった激動は、この時から始まったのだった。
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