群雄割拠の章
第六話 「ぬわんですってぇ!」
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ったということなのかもしれない。
それにしては世間の評判と食い違うのだが……
かといって、白蓮が俺に嘘を言っているような後ろめたさは感じない。
なんというか、俺を気遣っているのがわかるぐらいだ。
そう考えると……記憶を失う前の俺は、何らかの理由で劉備の下を離れたのかもしれない。
だからこそこんな場所にいたとしたら……まあ、辻褄はあうわけで。
…………なんか、劉備と敵対して追い出されたなら怖いなあとは思うのだが。
聞けば梁州は、全盛期の蜀に近いぐらいの発展をしているらしい。
漢中だけでそれだけとなれば、益州や荊州の一部を手に入れたらどうなることか。
そんな相手と敵対するとしたら……曹操や孫権あたりに庇護を求めたほうがいいかもしれない。
そういえば、曹操はすでに皇帝の後見人になっているらしい。
俺が思い出せる記憶でも曹操は皇帝の後見人だから、この部分は歴史通りなのだろう。
ただ、細部はかなり違っているようだけど。
そして孫権……いや、この時代なら孫策か。
その孫策はすでに揚州一帯を治める実力を持っているとのこと。
連合の恩賞として袁術から独立し、揚州一帯を治める州牧になったらしい。
江東の小覇王どころか、すでに呉を建国しそうな勢いだ。
パワーバランスが狂ってしまいそうだが、歴史はどうなっているのだろう。
そういえば白蓮が変なことを言っていた。
俺は劉備だけでなく、孫策とも仲が良かったらしい。
どういう状況なのだろうか……
俺が思い出せる歴史とは違う、この世界のありよう。
本当に、記憶を失う前の俺はこの世界で何をしたかったのか。
これだけ歴史を変革した俺の思惑を、俺自身が一番知りたく思う。
けどまあ、今はともかく……
「盾二殿!」
「盾二殿」
この二人をなんとかする方法をまず知りたいと思うのは……しょうがないことだよねぇ?
―― 袁紹 side ? ――
「なにやら美羽さんがちょこまか動いているそうですわね……」
「みたいっすねぇ。公孫賛や陶謙相手にちょこまか動いていたみたいっす」
「でも結局、公孫賛は協力を拒否、陶謙は曹操さんに殺されちゃったみたいですよ?」
「所詮はその程度ってことですわね。オ〜ホッホッホッホ!」
あの生意気な美羽さんのことですわ。
どうせわがままばかりいって、白蓮さんに呆れられたのでしょう。
陶謙という男はよく知りませんが、まあただの愚民ということですわね。
「結果として曹操は徐州も手に入れたみたいっすね。皇帝の後見人でもあるし、領土は広がるし……」
むっ……
「ま、まあ、華琳さんのことですから、それぐらいは当然かも
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