第147話
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!?」
ヴェントの言葉を聞いて麻生は若干眉をひそめた。
「お前、ローマ教皇と言ったな。
どういう事だ。」
「簡単な事だよん。」
そう言って取り出したのは、一枚の書類をヒラヒラと振る。
電気は消えており、見えにくいが麻生はしっかりと見えた。
その分は英語で書かれているが、それもすぐに訳す事もできた。
「その文章。」
「おおっ、そこの猿とは違って頭も良いみたいね。
これはローマ教皇の直筆のサイン入り。
つまり、アンタ達は二〇億人から狙われる身なのよ。」
おそらくヴェントの言っている事は嘘ではないだろう。
ローマ教皇があの書類にサインしたという事はそういう事だ。
それを聞いて驚くかと思ったヴェントは麻生の顔を見る。
そこには先ほどと全く変わらない表情をしていた。
「ふ〜ん、それで?」
「はっ?
アンタ、状況が分かってんの?」
「分かっている。
だから、たかが二〇億人に狙われた所でどうしたっていうんだ?」
逆に驚かされたのはヴェントの方だった。
麻生の言葉を聞いて一瞬だけ眼を見開き、次の瞬間には大声で笑っていた。
「あははははははははっ!!!
アンタ、最高ッ!!!
面白すぎて」
ふっ、と笑い声と笑みが消える。
「ぶち殺したくなったぞおい。」
静かな声と共に殺気が麻生と上条を襲う。
ヴェントは静かに激怒していた。
簡単な事だ。
ローマ正教が。
『神の右席』が。
自分が。
たかが学生の異教の猿に舐められているからだ。
今すぐにでも半殺しにして、今までにない拷問をして生きている事を後悔させたかったが、今の自分では麻生に勝つ事は難しい。
本命が通じない、風の魔術も通じない。
これでは勝つ事は難しい。
なので、ヴェントは大きく後ろに跳んだ。
「待ちやがれ!!」
上条は慌てて追いかけようとするが、麻生が止める。
去り際にヴェントは言う。
「アンタの相手は他にいるし、ここは引かせてもらうわ。
できれば私の手でぶち殺したかったけど、あくまで私はそこの幻想殺しが標的。
それじゃあねぇ〜〜。」
そう言ってヴェントはどこかへ立ち去って行った。
さて、と言って麻生は隣にいる上条に話しかける。
「どうなっているのか、説明してもらおうか?」
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