人狼
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尾を指差しながら口を開く。
「なぁ、ユーリ……それ触っていい?」
「明日の情報誌の一面に『黒の剣士、謎の変死体で見つかる』って記事が載っても構わないならいいぞ?」
キリトの問いに関してニッコリと笑顔で答えるが要するにBU☆THI☆KO☆RO☆SUと言ってのと同義である。冷や汗を額に大量に浮かべなから、手を引っ込める。さすがに己の好奇心より命のが大事らしい。
「さて、もうそろそろ帰るわ。それと俺こと人狼の正体はくれぐれも内密に。バレたら、とりあえずお前ら二人を半殺しにしに行くからよろしく。じゃあな、エギル今度会う時はアイテムの買い取りでも頼むわ。」
「……さらっと怖いこと言うな」
「お、おう、じゃあなユーリ。客としてなら、いつでも歓迎するぜ」
バレた時の報復の事に関して戦々恐々としながらも営業スマイルで見送る。
◆◇◆
「迷った……どこ、ここ?」
エギルの店を出たはいいものの現在、右も左もわからない状況で絶賛迷子中のユーリだったりする。
第50層主街区《アルゲート》は薄暗くさらに入り組んだ作りをしているため、初見で奥の方まで行ったプレイヤーが出てこれなくなったという説話はよくある。そして、ユーリもその哀れなプレイヤーの内の一人となってしまったのだ。
「もう…ヤダここ。転移、コラル!!」
諦めたように呟くと転移結晶を用意し自身のホームがある場所を唱える。青白い光がユーリを包み込み、薄暗い町から脱出することに成功するのだった。その際、ユーリはもう二度とこんなところに来るか!と強く心に決めたのだった。
◆
第22層【コラル】
小さな湖畔がいくつもあり、このフロア全体が森林に囲まれた層。そして、転移門から離れた所にある大きな湖の前にユーリとシィが住むホームがある。
家の玄関の前までつくとなにやら人の話し声が聞こえてきた。誰だろうと思いつつ、扉を開け中に入る。そして、同居人のシィの他にもう一人の人物を目にして、ズッコける。
「な、なんでアスナが居るの!? お前、急用ができたんじゃなかったのかよ……いや、まさかシィか。」
上半身を起こし、二人を見るとアスナはニコニコとし、シィはニシシと笑みを浮かべている。どうやら、アスナを呼び出したのはシィで正解らしい。
「まさか、ユーリ君がこんなところに潜伏してるとはね〜。思いもよらなかったわ」
「けど、いいところでしょ?景色もいいし、空気も澄んでるしさ。」
シィがお家自慢を始め、ガールズトークが再開されたので一旦自室へと行き、この頃よく部屋着として着ている紺色の布地に白色で雪結晶があしらわれた浴衣に着替える。その姿をアスナが目にすると頬を微妙に紅く染める。どうした?
「なんか、ユーリ君の
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