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とある異世界の交差物語(クロスオーバー)
第5話 誠の鬼、目を覚ます
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千鶴と土方が病院に運ばれていたちょうどその頃……学園都市内のある薄暗い路地裏。

ここに土方達と同じく、幕末の世界からのこの世界へ飛ばされた男が一人、姿を現す。

「何処だ?…此処は……」

金髪で赤い瞳、紫色の洋装を纏うこの男の名は風間千景(かざまちかげ)

西の鬼達を束ねる風間家の当主であり、同時に土方たち新選組と幾たびの死闘を繰り広げた宿敵の一人。彼は最後の戦いとして函館で土方と一対一の決闘を挑み、最後の局面に入りかけたが謎の女に邪魔をされた挙句、この学園都市に飛ばされた人間の一人である。その風間は飛ばされたショックのためか、気を失い何故か路地裏で眠っていたのだがようやく目を覚まし、今に至る

「なんだ此処は?函館ではないのか?」

と、風間が現状を把握するために物思いに耽っていると

「おいおい兄ちゃん、テメェこんな処で何やってるんだ?」

と典型……いや古典的な不良(スキルアウト)10人が輪を囲んで風間に因縁をつけてきた

「ここは俺たち『バイパー』の縄張りだ。生きて帰りたきゃ、有り金全部置いていきな」

さらに古典的…いや“お約束”なセリフを言うが、千景を知る人間なら“なんてバカなことを”と誰もが思う所。しかしここに風間を知る者はいない故に彼を止める人間は居なかった

「ちっ…人間風情がこの俺にそんな口を利くとは……よっぽど死にたい様だな」

風間も刀をスラリと鞘から抜き戦闘態勢に入りかけた。普段の彼なら多少の上から目線と態度、そして威圧感で相手を黙らせるのだが先程まで土方と心躍る戦いを繰り広げ、自分にとって悔いの無い満足する戦いになる筈だった。一人の鬼として、一人の武士として、そして……無意識だが風間は土方を好敵手として認めていたのだ。

それをこんな形で邪魔された揚句、こんな不良(チンピラ)に因縁を付けられた為に今の彼の機嫌は非常に悪かった

−−−フォンッ−−−

風間は刀を抜き、本気でスキルアウト達の首を落とす気で構えた。

「な、なんだよ!そんなモン持ちやがって!」

「ど、どうせハッタリだ!やれるワケがねぇっ!」

スキルアウトも内心ビクつきながらもなんとか虚勢を張るがそんな物はこの男に通用するはずがなかった。

「フン。ならば試してみるか?」
まるで見下すような……いや、実際に彼等(スキルアウト)を見下す視線を向けながら風間はそう言い、抜いた刀を彼らに向ける

今の彼等(スキルアウト)は風間の殺気に当てられ、走馬灯と綺麗な川とお花畑が見えたそうだ。

風間が動こうとした次の瞬間……!

カッ…カッ…カッ…カッ…カッ…カッ…

後ろから妙な音が鳴り響いた。風間とスキルアウトが振り向くと其処に居たのは松葉杖を片手に持つ白髪赤眼の少年だっ
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