第二十七話 彼氏彼女の事情
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ーズと言われる彼のロボット達も尽く滅びたと政府製作の公式資料には記されている。
エックス「そ…そりゃ知ってるけど。そのワイリーがどう…」
ゼロ「そのワイリーの爺が製作した戦闘用ロボット。ワイリーナンバーズがこの世界にまだ生き残っていたとしたらどうだ?」
エックス「え…?」
目を見開くエックス。
ゼロ「それも…お前の目の前にな」
エックス「ちょ…ま…待ってくれゼロ。一体何を言い出すんだ」
激しく狼狽するエックスの前でゼロははっきりと言い放つ。
ゼロ「俺は最後のワイリーナンバーズ。トーマス・ライトが晩年に製作した最後のライトナンバーズ…即ちお前とは前世紀からの宿命の敵同士だと言う事だ」
エックス「(何の冗談…)」
ゼロの目は笑ってなどいない。
真剣そのものだ。
ゼロ「昔、俺は時々老人の夢を見た。痩身の老人は俺に言う“あいつを倒せ”と。俺の製作者があの悪の天才科学者Dr・ワイリーであり、奴の言う“あいつ”とは即ち爺が生涯掛かって勝てなかった伝説の英雄ロックマンの後継者であるお前であると言う事実がな」
エックスに指を突きつけながら冷淡に言い放つゼロ。
エックス「嘘だ…」
声を震わせるエックス。
ゼロ「嘘じゃない。現に俺はかつてワイリーナンバーズとして殺戮を繰り返していた。世に悪名高き“紅いイレギュラー”。それは紛れもなくこの俺の事だ」
エックス「そ…そんな…違う…あのイレギュラーが君である訳が無い。俺にとってのゼロは…君以外に有り得ない…」
今この場においてエックスの言葉は何の根拠もない理想論である。
現実主義者たるゼロならば間違いなく一笑に付すだろう。
しかしそれでもエックスは、そう言うしかなかった。
もしゼロがイレギュラー…更にはワイリーナンバーズである事を認めてしまえば、まさしくロックマンの後継者として生まれた自分にとって、シグマ以上の最大の宿敵と言う事になってしまう。
互いに過去の記憶を失った者同士であったからこその親友関係であったというのか。
無二の親友同士であった彼らだが、一方はDr・ライトの生み出したロックマンの後継者であり、もう一方は最後のワイリーナンバーズ。
それがそれぞれ記憶を失い、友として生きてきたとは何と言う皮肉であろうか。
エックスの心中に絶望の影が色濃く覆っていく。
しかし…。
ゼロ「そうだな。俺もそのつもりだ」
ゼロのその言葉に顔を上げるエックス。
ゼロ「言ったろ?笑い話だってな。ライトと爺の争いはもう100年も前に決着してるんだ。今更俺達に一体何の関わりがある?大体、今の俺はオリジナルボディを失っているからな。爺の干渉はもう受けないし、今の俺が人格として固定されてるんだ。」
そう言ってゼロはエ
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