暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
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までシステムがランダムで、そのくせ数千はあると言われているそれぞれの岩塊を衝突させないように緻密な計算の上で成り立たせている。
ケットシー領を始めとする、大陸の西側は気候が比較的温暖で、アタリのひと時でもある。これで南は灼熱地獄の
火妖精
(
サラマンダー
)
領や、北は極寒の
土妖精
(
ノーム
)
領に行った時などは、城の中で縮こまっているか、避難するかのどちらかである。他プレイヤー(主にどこかの黒尽くめ)からは絶賛の声が上げられる浮遊城ではあるが、意外と面倒なところもあるのだ。
「…………レン」
「………………なに?」
空を仰ぐカグラにつられたように、レンも空を仰ぎ見る。
「私は、何も言いません。しかし、マイに何も言わずにコンバートするつもりですか?」
それは、何も言えない
服従者
(
カグラ
)
から
主
(
レン
)
へ言える、精一杯の反対の言葉。レンを見上げる目線もいつになく厳しい。
その視線から逃れるように、レンは顔をめぐらせる。
その眼が見据えるのは、白亜の塔の中ほどから張り出している大きなバルコニーだ。
最近読書にハマっているマイは、いい天気であればこの時間帯に勝手に本を引っ張り出してバルコニーのティーテーブルで適当な菓子をお供に何時間でも読んでいる。今この瞬間も、おそらくあそこでのんべんだらりと読書にふけっている事だろう。
バルコニーを数秒見つめた少年は、ポツリと、沈黙に耐えかねたかのように言葉を発した。
「マイには………カグラから言っておいて」
「自分で、言わないのですか」
「うん、頼んだ」
言いたい事は山のように山積していた。
ここで眼前に佇む少年を、主従関係など遥か彼方に置き去りにして叱り飛ばせたらどんなに良いだろう。現に、この少年はそのことを望んでさえいるかもしれない。
しかし――――
「………………………………………………承知しました」
長い葛藤の末にカグラが言ったその言葉に、レンは一つだけ吐息を搾り出した。
ここはどこだ。
とろりとした微睡みの中から半覚醒の体で起き上がった"それ"が、最初に頭に思い浮かべたのはそんな疑問だった。
辺りは、さわさわと揺らぐ草の穂で埋め尽くされた草原。微風が吹くたびに揺れ動く緑のカーペットは耳に心地いい軽やかな効果音を奏でている。軽く頭を巡らすと、うららかな春のような日差しが梢の間をすり抜けて降り注いできているのが分かる。
アインクラッド第二十層の南東部に広がる雄大な《ひだまりの森》
どうしてこんなところで寝ていたのだろうか、と自問する"ソレ"は、やがて薄いベールを裂くようにして現れた記憶の欠片を繋ぎ止めていく。
一瞬の静寂。だがそれは、優しげな景色とは無縁の
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