暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
神意の祭典篇
41.神意の悪意
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ら子供に戻し、知識や経験を自分のものにする凶悪な魔導書だ。

「本来は仙都木阿夜がやったように、他人の経験した“時間”を丸ごと奪うための魔導書だが、さすがに神意の暁(おまえ)が相手では、そこまでの効果は期待できない。せいぜい貴様が過ごした過去の時間を再現して、共有できるかという程度だな」

 彩斗は那月の言葉に不安と同時に複雑ななにかの感情が湧いてくる。

「過去の時間の……再現……」

 立上との戦いで過去のことが彩斗の中では困惑している。
 彩斗を支えてくれた彼女。立上との因縁。彩斗と“神意の暁(オリスブラッド)”関係。全て完璧には思い出せていない。
 それを絶対に思い出さなければいけない過去だ。

「……那月ちゃん、頼む」

 覚悟を決めたように彩斗は那月を見つめる。
 那月は無感情な瞳で彩斗を眺める。

「おそらく、つらい体験になるぞ」

「そんなことわかってるよ」

 彩斗は静かに目を閉じた。
 そして記憶の奥で封印されていた扉の一つが開け放たれる。

 これは彩斗の物語ではない。
 これは“神意の暁(オリスブラッド)たち(・・)が紡ぐただの……《悲劇》の物語だ。


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