第一章 小問集合(order a la carte)
第六話 命の分水嶺
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「やめろ、次は妃宮がいても死ぬだろがこのバカ。そこまで言うならお前に食わせろうじゃないか!!」
そういって取っ組み合いを始める二人。
「仕方がないワシが食うことにしよう。」
そういっておもむろにタッパーを持とうとする秀吉。
その手を引っ張り、縋るつく吉井。
「だめだよ、そんなことをしたら秀吉が死んじゃうじゃないか!」
「いや、ワシの胃袋は丈夫じゃからの、ジャガイモの芽程度では歯牙にもかけぬぐらいにな。」
「俺のことは積極的に殺そうとした奴が言う言葉か!」
「そんな……、でも。秀吉が死んじゃったら……、僕は…」
後ろで吠えているのをきれいにスルーしながら、なんだか死地に向かう恋人を止めようとしている主人公と言った感じに成っている。
暇な僕は何かしようかと頭を働かせる。
持ってきたペットボトルの中身がなくなっていたのに気づき、捨ててしまおうとして気づく。
後学のためにも人が痙攣するような料理とはどんな成分から出来ているのか、是非知りたい。
屋上に備え付けられている蛇口を捻りペットボトルを軽く洗い、問題となっている姫路さん特製の杏仁豆腐を幾らか詰めた。
栓を閉めながら、姫路さんには少なくとも見られないよう隠す物は何かないかと周りを見回せば、先ほどの寸劇の世界から締め出された坂本と目がばったりあった。
「すみません、袋のような物があれば頂けませんか?」
「その前にそいつをどうするか聞かせて貰おうじゃないか。」
「科学的に分析して貰おうかと、幸い知り合いにおりますので。」
なるほどと頷いた彼は自分の昼ご飯をまとめるのに使っていた緑のスーパーの袋をくれた。
「結果は教えろよ。」
「委細承知です。」
袋の中にペットボトルをしまってしまい、念のために外側から何が入っているのか見えないことを確認してから、吉井たちの方を振り向く。
「明久よ、ワシはこの程度では死なぬ。だから…の?」
「秀吉…、僕は…、僕はそれでも……」
秀吉の演技が無駄に上手い、伊達に演劇部所属じゃないのが良くわかる、が今はその時ではない。
「みなさん、食べるのでしたらなるべく早くお願いします。このままでは島田さんまで巻き込まれるのですよ?」
何気に脅迫じみた言葉だったと自分でも思ったが構っていられない。
「妃宮……そっ、そうじゃな。ではゆくぞ!」
その時、ムッツリーニ君は復活した。
まるで、秀吉の魂が天に逝くのと交代したかのように。
「秀吉!!」
「水を取ってきてください、今ならまだ間に合います!」
「……(コクコク)」
「ねぇ、坂本。これはどういうこと?」
「その……済まない、口に出せないことでな……。」
後々このデザート(暫定)にはニトロベンゼンが用いられていたことが判明した。
ニトロベンゼン
刺激性、痙
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