DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第十三話
[6/6]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
「ああ、ああ、ああああ……」
刹那が、遂に膝を屈した。
「あああああああああッ!!!」
頭を抱えて絶叫する刹那。自らと同じ存在がいる、という事実に、彼女もまた、耐え切れない。
「そう、刹那。君もまた、《グリーア》だ。グリーア・イクス・アギオンス・オブザーバゼロ。《観測者》の役割を与えられた最初の一体」
「――――違う!刹那は人間だ!」
それでも。
どれだけの事実が、目の前に存在しても。覆しようのない神の言葉が降り注いでも。
それでも、大切な人のためにあがく。刹那は仲間だ。彼女は、シャノンの妹。セモン達《聖剣騎士団》の、大切な仲間なのだ。
「そう、違う!!断じて否だ!!」
セモンの叫びに、後を押されたかのように、シャノンが絶叫する。そこにあったのは、己の内側だけに向いた世界を、他人と共有できるようになった、かつてとは違う、親友の姿。
「違う。そいつらは刹那じゃない。刹那は、そいつらじゃない。僕の刹那は一人だけだ。天宮刹那は――――僕の妹は、たった一人だけ。一人いるのなら、もういらない。なぜならば、唯一であるのだから。絶対なのだから。
僕と同じ顔のお前が、何度否定しても、僕が同時に何度でも否定する」
シャノンは、《主》を睨み付けて、叫んだ。
「刹那は!僕の愛する天宮刹那は!たった一人だけだ!僕達は唯一!お前の代替などではない!」
刹那を、抱きしめて。仮想世界の異常存在は、神へと、ケンカを吹っ掛けた。
「……素晴らしいね。予想した以上だ――――敬意を表そう。君達に、彼女たちと戦う権利を与えてあげる。――――演奏準備」
ゆらり、と《主》の右腕が掲げられる。同時に、各々の武器を構えるグリーア。
「――――《開始》!!」
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ