DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第十三話
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それは、一本の線だった。光でできた、ほそい、ほそい、糸のような線。それは曲がりくねり、何かを示すかのようにつづいていく――――
「……こっちだ」
「セモン? ……ちょっと!」
コハクの制止を聞かずに、セモンは走り出す。
この線は――――《主》への場所を、指示している!
***
「チックショウ!開けよ!開けよオイ!!」
ずがぁん、ずがぁん、というひどい音を立てて、双巨剣が純白の扉をたたく。しかし扉は微動だにしない。まるでシャノンの侵入を拒むように。嫌がるように。
一撃が無意味だったと悟ったシャノンは、巨剣に真紅と黄金のエフェクトライトを宿らせる。《帝王剣》ソードスキル、《ヘリオ・プロメテウス》と《シャマシュ・アポロニア》が同時に発動し、扉を破壊せんと荒ぶる。
それでも、扉は開かない。
再び彼がその双巨剣を振り回そうと構えた時。
「お兄様、落ち着いてください……!」
「はぁ……はぁ……くそっ……」
どうやら自我を取り戻したらしい刹那が歩み寄り、シャノンをなだめた。シャノンはそれで少し理性を取り戻したのか、巨剣を振り回すのをやめる。必至で暴走を止めようとしているのか、肩で息をするシャノン。
それが、セモン達が彼らのもとに辿り着いた時の光景だった。
「シャノン! 刹那!」
「……誰かと思ったらセモンか。ハザードにコハクも……どうやら無事復活したっぽいね……」
不機嫌そうな表情でこちらを見てくるシャノン。彼の悪い癖だ。自分の思い通りに世界が進まないと、すぐに不機嫌になる。
精神の不安定さ。シャノンに見える危うい局面の一つ。
「どうしたんだ?」
「開かないんだよ。この扉が。他ならないこの僕が来ているというのに……」
シャノンはますます不機嫌そうな表情になって、叫ぶ。
「もうすぐなんだ!もうすぐそこまで迫ってる……!僕のための力が!」
「落ち着け!シャノン」
ハザードが彼を鎮めようと手を伸ばす。
「うるさい!」
シャノンはその手をはたく。こんな状況だが、見事な一撃だ、と感嘆してしまう。リアルのシャノンにはあんな動きはできない。
「ぐっ!?」
ハザードが顔をしかめた。どうやら激痛が走っているらしい――
「……なんて力の強さだ。何が起こっている……?」
「もしかして、シャノンも《主》の干渉を受けてるのか……?」
セモンはなんとなく感じたことを呟いた。
セモンはつい先ほどまで、《主》の使用した幻覚に精神操作をされて、コハクに剣を向け、ハザードと壮絶な一騎打ちを演じた。ハザードの言うところによれば、それによってセモンの実力は高まっていたらしい。
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