第二十七話 戦闘終了
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きながらも、どうやら戦闘続行が不可能なまでにダメージを受けたものと自覚したらしい。
動きを止めたかと思うと、そのまま陽炎のように輪郭を滲ませ霧散するように消えていった。
実体化を解いて霊体化して退散したのだった。
「……っち」
舌打ちしながらランサーは構えを解く。
そして槍を肩に抱えなおした。
「……さて」
ランサーは徐に辺りを見回す。
全員の顔を見るように首を回し、そして背後へと顔を向け見上げた。
「……」
視線の先には腕を組みながら戦いを見ていた、黄金のサーヴァント。
「「……」」
両者の視線が交差する。
無言の時間がかなり長く感じられた。
やがて、沈黙を破ったのはギルガメッシュだった。
「ククク……フハハハハハハハハハハッ」
肩を揺らして大声で笑い始めた。
ランサーはそれが気に入らないのか眉を吊り上げる。
「そう力を入れるな、我は気分が良い。あの狂犬をまさか貴様が打ち崩すとは。どうやら、此度は我を存分に楽しませてくれるようだ」
「どういうことだ……」
ランサーはギルガメッシュに対し睨みを利かせながら問う。
どうやら、ランサーには自分がバーサーカーに負けると思われていたと聞こえたらしく、怒りをあらわにしていた。
だが、ギルガメッシュはその問いに答えることなく、笑いながら周りを見渡しながら口を開いた。
「いい機会だ、貴様ら次までに有象無象を間引いておけ。我と見えるのは真の英雄のみで良い」
そう言うと黄金のサーヴァントの姿がそのきらめきだけを残して消えた。
霊体化したのだ。
やがて完全にその姿が見えなくなる。
「……ちっ」
ランサーは逃げられたと言わんばかりに、舌を打つと今度はこの場にいる全員に向き直り口を開いた。
「よう。まだやるか?」
「「「「!!!」」」」
全員が身構えた。
先程までバーサーカーを圧倒したその力。
戦うとなればそれを相手取らなければならないことになる。
彼の持つ深紅の槍は、未だに鈍く光を放っていた。
「いやはや、流石は最速の称号を持つサーヴァント……まさかここまでとはのぉ」
この緊迫した空気をぶち壊すのはやはりライダーだ。
何が起こったのか理解した上で感心している。
「世事は止めろよライダー。くすぐってぇ」
「これでも余は貴様に敬意を持っておるぞ、ランサー。しかも、まだ手を隠していると見える」
その目は深紅の槍へと向けられていた。
「時にお主、物は相談だが我が家臣にならんか?」
やはり、この状況でもライダーは勧誘をする。
どこまでもわが道を行く征服王に呆れのため息が漏れる。
「貴公がいれば他の連中も我が家臣にできそうだ。どうだ?待遇は優遇す
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