第二十七話 戦闘終了
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「……やってくれるじゃねぇか、ライダー」
ライダーの大声量で、自らの名を叫んだとき丘の上のランサーは、犬歯をむき出しにし凶暴な笑みを浮かべていた。
聖杯戦争において、真名を隠すことは常等手段。
真名が割れるということは、自らの弱点を晒すことと同義である。
ランサーもまた、自らの名をすすんでばらす様な輩はいないと踏んでいた。
だが、丘の遥か下で腕を組むサーヴァント、ライダーはそんな常識を自らの手で破壊したのだ。
ランサーは、それが心地よかった。
自らが望むのは、騎士として一対一の真剣勝負であり全力の殺し合い。
ランサーはライダーのその潔さに感服し、そして奴なら小細工を使わず真正面からやりあえる、そう確信していた。
「おい、嬢ちゃん。悪いが観戦はここまでだ。俺達も出るぜ」
ライダーにあれだけの事をされたのだ。
ランサーとしても、ここで指を咥えているだけというのは、出来るはずもない。
タイミングも良い事に、ライダーはまたしても大声で他のサーヴァント達にここに出てくるよう呼びかけている。
「……もう少し、手の内が見たかったけど―――――分かった、行こうランサー」
そんなランサーの気持ちを察したのか、サチも首を縦に振らずしかなかった。
その言葉に、より一層ランサーの口元が吊り上がった。
「よーし。じゃあ行くと――――!!」
瞬間、ランサーの目が大きく見開かれ、先ほどまで眺めていた場所を睨みつけた。
「……?」
サチは、自らのサーヴァントの突然の豹変に何が起きたか分からず、同じ場所へと目を向けた。
その瞬間だった。
黄金の圧倒的な存在感がソコに降り立ったのは。
――――――――――――
辺りを包むのは、困惑と同様。
そして殺気が充満していた。
その黄金の男が降り立ったことでそれらは一気に膨れ上がっていた。
古代ウルクの英雄王―――――ギルガメッシュ。
あの男は確かにそう名乗った。
その名を知る者は、この場に何人といるだろうか。
ギルガメッシュの知名度は日本という国においてそこまで浸透していない。
だが、ギルガメッシュの威圧感はそんな名も知らない者達にも感じさせるほどに圧倒的だった。
ただでさえ、セイバーアーチャー、バーサーカーの戦いで息を切らしていたのに、そこへさらにライダーの介入。
そしてギルガメッシュの乱入と、キリトとアスナの精神は疲弊しきっていた。
だが、サーヴァント達は、奇妙な違和感を感じていた。
特に、セイバーは顔を顰めて何か、魚の小骨が喉につっかえたような感覚がその中にある。
「(なんだ、この奇妙な既視感は……。なにか、私は―――――――)」
前に一度、これと同じようなことがあったのか……
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