暁 〜小説投稿サイト〜
エクシードライフ・オンライン
始まり1 〜ログイン〜
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
2032年の3月。もうすぐそこまで春の息吹は来ているのだろうが、冬の置き土産のせいか、まだ肌寒い日が続いていた。
そんな日に、俺こと、伊達結人《だてゆうと》は、あるゲームを始めようとしていた。

その名は、『エクシードライフ・オンライン』略してELOだ。

今日、正式サービスが開始されるVRMMORPGだ。
今までたくさんのVRMMOをプレイし尽くしたが、このゲームは一味違うらしい。噂だと自分だけの固有スキルが存在し、空を飛べるのはもちろん、変身したり、色々とゲーマーの心をくすぐるような要素が満載ということだった。
俺が注目したのは、固有スキルがあるということだ。これだけは今までプレイしてきたVRMMOにはなかった。空を飛ぶことができるとかは、ほかのゲームにもある。
どんな能力を授かるのか、ワクワクしながら正式サービス開始の午後1時を待つ。

pipipipi…

ベットに置いていたスマホが着信を知らせる音が鳴る。

「んっ? 紬《つむぎ》か…、もしもし」
『あ、結人? もうすぐ開始するねー』
「ああ、そうだな。さっきから楽しみでしかたねーよ」

相手は、俺の幼馴染である日下部紬《くさかべつむぎ》だ。親同士が知り合いのため、昔から一緒に遊んだりしている仲だ。
俺とは違い、普段ゲームはあんまりしない奴なのだが、俺がいつもゲームの話をするので興味を持ち始めたらしい。それで今回、一緒にELOをプレイしようということになったのだった。

「そういや集合場所、決めてなかったよな?」
『うん、そうだね。どうしよっか?』
「最初にログインするのは、エイプリルって町なんだ。そこの中央広場でいいだろ」

前に見たELOの情報を思い出しながら、紬に伝える。

『うん、わかった』
「おっ、そろそろだな。じゃ、切るぞ」
『じゃあ。あっちで会おうね』
「おう、じゃな」

電話を切り、机の上に置いているアミュスフィアを頭に被り、ベットに横になる。
スマホの時間を見ると12時59分になっていた。あと一分でサービスが開始する。そして13時ちょうどになり、俺はあちらの世界に行くための言葉を発する。

「リンク・スタート!」



「お、ここは…」

気づけば、不思議な空間にいた。薄暗い空間の中に俺が漂っている。多分、初期設定空間のだろう。待っていれば初期設定の案内のアナウンスが聞こえてくるだろう。

『エクシードライフ・オンライン。略してELOの世界へようこそ!』

ほら、さっそくだ。このまま聞くことにしよう。

『ここでは、まず初期設定を行います。選択肢が現れますので、どれかにタッチして下さい』

そういうと同時に選択肢が出てくる。
ちなみに性別や容姿を選ぶことはVRMMOでは不
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ