暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜呪われた魔剣〜
神風と流星
Chapter1:始まりの風
Data.5 波乱の会議・後編
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「あたしも貰ったよ〜」

 今まで沈黙していた女剣士とシズクが言った。キリトが「タダで?」と聞くと、二人ともこくりと頷く。

「道具屋さんに委託してたけど、値段が0コルだったから、みんな買ってたわ。すごく役に立った」

「あたしはアルゴさんから直接もらったよ?何でも『親切丁寧なフロントランナー達がお金を払ってくれてるから無料でいい』って」

「何……だと……」

 つまりキリトみたいなレベルが高く金もある奴らに売って得た利益で、無料で配った分の損害を帳消しにしていると。悪魔だな、あいつ。

 じゃあ何故俺には売らなかったんだ?心当たりは……あった。あの《鼠》、俺が貰った攻略本を複製して二次販売することを恐れやがったな。いくら俺でもそこまで外道なことはやらないってのに。

 軽く気分を害した俺が広場の反対側にいるアルゴに視線で文句を訴えてると(アルゴは露骨に目を逸らしていた。これぞシステム外スキル(仮)《視線で会話(テレパシーもどき)》だ)、いつの間にやらキバオウはエギルに論破されたいたようで、渋々引き下がっていた。

 キバオウとエギルが引っ込んだ後は、再びディアベルが話を進めていった。

 そして様々な情報の共有と、具体的とは言えないにしても現時点ではかなり念密に立てられたボス攻略作戦が語られ、今回のボス攻略会議は幕を下ろした。



 会議が終わるとキリトは狩りに、女剣士は宿に向かっていった。俺は投擲武器や回復アイテムの補充に行ってから、フィールドで狩りをする予定だったので、商店街の方へ向かおうとすると――――

「ちょっと待った」

「ぐえっ」

 後ろから襟を掴まれ引き留められた。現状そんなことしそうな奴は一人しかいない。

「……何?何か用か?シズク」

「ルリくん、明日暇?」

「暇じゃない」

 明日はちょっと遠出をして、あるクエストをこなさなければならないので、まったくもって暇ではない。

「迷宮区で攻略を進めるの?」

「違う。やらなきゃならないクエストがあるんだよ」

「ふーん、そっか……」

 それきりシズクは黙り込んで、何やら考え込み始めた。あの、シズクさん?考え事するなら襟を話してもらってからにして頂いてもよろしいですかね。

「うん、決めた。ルリくん、そのクエストあたしも一緒にやるから」

 いきなり何を言い出しとんのじゃこのバカは。

「……何で?」

「この状況で受けるってことはボス戦に有利になれるクエストなんでしょ?あたしも一プレイヤーとして、そういうのは手助けしなくちゃと思って」

 妙なところで勘が良いのは本当に何なんだろうな、女って生き物は。

「遠いぞ?めんどいぞ?戦闘系なんだぞ?」

 ぶっちゃけ俺も
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