暁 〜小説投稿サイト〜
仮想空間の歌う少年
21ー反撃のための13発目
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かべて。

「だから…シノンは待ってて。僕が行くまで。」

そう。あの時の様に。僕が決着を…!
そうすると不意にシノンに服を引っ張られた。

「…私も。」
「ん?」
「私もやる…!」

シノンはさっきのキリトと同じ表情で僕を見る。
何かをすると決めた時の眼だ。

「私も…スノーの…佳の事を守る…!もう嫌なの…あの日も、再会してからも佳に守られっぱなし。…私は決めたの??今度は私が佳を守る??」
「詩乃…。」
「だから言ったんでしょ?『僕達が強くなればいいんだよ?』って。」
「…。」

ついお互いにリアルネームが出た。それほど真剣だった。
僕はもう一度シノンの眼を見て。

「わかったよ…。シノン。いつも通り後ろ、頼むよ?」

そうするとシノンもクールに、少しだけにやっとしながら。

「当たり前でしょ?…私達の力を見せつけるわよ。」

そう言ってシノンと拳を合わせる。
さあ、僕達は無我夢中。
ここからが僕達の延長戦。

サテライト・スキャンが映し出される。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「キリト君??」

私はキリト君がダイブしている病室に着くとすでにキリト君はログアウトをしていた。

「…。明日奈…。」
「キリト君…!言いたい事はいろいろあるけど…!」
「ああ、それは後で埋め合わせする。…それより。」

キリト君はテレビを指差す。
そこにはちょうどスノーが水色の髪の少女に歌を歌っていたところだった。

「…。前から思ったんだけど。」
「なんだ?」
「スノーってあの子の事になるとキリト君そっくりだよね。」

そう言うとキリト君は頭をかきながら。

「あー…。そうだな。恐らくスノーも同じだろうな…。」
「何が?」

聞くとキリト君は恥ずかしそうにチラチラ私の事を見るとボソッと。

「…大事に想ってるんだよ…。」
「なーに?きこえないよー!」
「なっ??聞こえてただろう!」

私は少し笑う。
そう、きっとスノーにとって大事な人なのだろう。あの水色の髪の少女は。だからきっと必死になって守ろうとしている。

「ラフコフに…勝てるかな…?」
「ああ、きっと勝てるさ。…俺達を助けたスノードロップならきっと。」

私はそうやってキリト君はベットに腰掛けている隣に座り、手を繋ぐ。

「うん…。そうだね…。スノーならきっと…。」

私はそう言ってテレビを見る。
…そこには決意の眼差しをした少女と、飄々としながらも何かを守ろうとする少年が映っていた。

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