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その魂に祝福を
魔石の時代
第四章
覚悟と選択の行方1
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がいい……か)
 狼の――本来の姿に戻ったらしい。これで人の形を保つための魔力を回復に回せる。こんな基本的な事すら思い出せないほど消耗していたらしいが――これで少しはマシになるはずだ。ただ、四足になった以上、自分の身体は自分で支えるしかなくなったが。
 這いずるようにして、先に進む。光を探し、伝えなければ。
「ちょ――、す―か! 急に――した―よ!?」
 子どもの声が聞こえたような気がした。アタシが思っている以上に、街の中なのかもしれない。ありがたい、と素直に思う。もう、そう長い事は持たないだろうから。
「多分――あた―に、だ――いる――! その――き――怪―し―る!」
「こんな――ろに、誰――る―よ?」
 声が近づいてくるような気がした。アタシが近づいているのかもしれない。自分でももうよく分からない。意識が霞む。自分がなにをしているのかが分からなくなる。
「きゃああああああっ!?」
「酷い傷……ッ! 早く病院に連れて行かないと!」
 誰かが身体に触れてくる。どうやら、アタシは地面に倒れているらしい。こんなことしている場合ではないのに。
「いいから! 大丈夫だから大人しくしてなさい! いい子だから!」
 誰かが身体を抑えつけようとしてくる。
(邪魔をするな!)
 吼えようとした――が、もう声もでない。せめてそいつを睨みつけようとして、
「フェイト……」
 霞む視界に金髪の少女が映り込んだ。その少女が、必死になって何かを呼び掛けてくる。もう声も聞こえない。
「ごめん……」
 それが声になったかどうか。それすらも分からなかった。




「光に続いてなのはまでどこかに行って、もう二週間近くになるわね」
「そうだね。こんな事初めてだし、さすがに心配だよ」
 アリサと二人で夕暮れの街を歩く。私達の大切な親友とそのお兄さんが学校に来なくなってから、もう二週間近くが経つ。お兄さん――高町光がこなくなってからという意味でなら、そろそろ一ヶ月にもなるか。その間に街では何か妙な出来事が続いていた。
(光君が、それに関わっているとして……何でなのはちゃんまで?)
 高町光――いや、御神光の秘密を、私は知っていた。彼が私の――私達一族の秘密を知っているのと同じように。
 御神光は魔法使いだ。街の奇妙な出来事に立ち向かっているのだろう。多分、あの日私を助けてくれたように。ただ、それなら何故なのはまでいないのか。
(なのはちゃんは、魔法使いじゃないって言ってたのに)
 光はそう言っていた。魔法使いにする気もないと。それなのに、一体何故?
「え……っ?」
 そこで。ふと気付いた。
「どうしたの、すずか?」
 アリサは気付いていない。当然だろう。普通の人間では気づけない程度の匂いだ。ただ、私達なら気づかない訳がない。吸
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