魔石の時代
第四章
覚悟と選択の行方1
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―今振り返れば、後悔を覚えない訳でもなかった。
2
「これからどこを探せばいいのかな……」
いざ飛び出してきたものの――どこに光がいるか、全く見当もつかなかった。とはいえ、管理局の人達はもう頼れない。私が自分で見つけるしかない。
『心配はいらねえ。禁術を使った以上、必ず相棒はオレと合流しようとする。そん時に一緒に連れてってやる』
焦る私を落ち着かせるように、リブロムが言った。
『ただ、問題は――』
「なのはの現状、ですよね? リブロムさんの守りがなくなっても平気かどうか。それが判断できないと光さんも動けない」
そうか。と、今さらになって理解する。リブロムがずっと傍にいたのは、私を守っていてくれたからなのだと。光はリブロムを取り戻そうと思えばいつでもできたのに。
『冴えてるな。まさにその通りだ。まぁ、このチビが管理局から手を引いたってのが分かりゃ、相棒だっていい加減オレを呼ぶだろうさ。……もう時間がねえってのは分かってるだろうしよ』
時間。確かに、光はまだ殺戮衝動から解放されていない。今日一日だって、決して無駄にはできないのだ。
「それをどうやって知らせればいいの?」
『相棒が正気なら、必ずオマエの動向を探っているはずだ。そん時にオマエが管理局の監視下にない事が前提となる。つまり、』
「まずは管理局の監視網を突破する必要があるって事ですね?」
『ユーノ。オマエ、本当に今日は冴えてやがるな。その通りだ。まずは連中を撒いてから作戦会議の続きと行こう』
と、言う事は。私が今すべきことは――
「レイジングハート、お願い!」
≪Yes,My Master≫
レイジングハートのお陰で、管理局の監視機械――確かサーチャーと呼ばれていた――の位置が分かる。
『よっしゃ。どうせオマエの足だけじゃ連中を撒く事なんぞできやしねえんだ。オレとユーノとそのビー玉が行き先を指示するから、オマエは何も考えないで、前だけ見て走れ。転ぶなよ?』
「転ばないよ! あと、ビー玉じゃなくてレイジングハート!」
ともあれ、こんなところで捕まっている場合ではない。今はみんなを信じて、ただ走るだけだ。
『よしよし。よく頑張ったな』
それからしばらくして。私達はどこかの廃屋に転がり込んでいた。……いや、廃屋ではないのかもしれない。確かにボロボロだけど、それでも生活できそうなくらいには一通りの物が揃っていた。
「ここは?」
完全に上がってしまった息を整えながら、リブロムに問いかける。
『ここは相棒の隠れ家の一つだ。普通の人間には近づけねえようになってる。もちろん、半端な同業者でも無理だ』
「隠れ家?」
『オマエの同級生にもいるだろ? 隠れ家作って喜んでるガキどもが。相棒は実用性も考慮してるが……まぁ、やってる事は変わらねえよ
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