魔石の時代
第四章
覚悟と選択の行方1
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った後も、生存できるという確信があったと考えた方がいいでしょう。もちろん、その後何者かの襲撃があったとしても、です」
きっぱりとクロノが言った。
「次元跳躍攻撃。それ自体は彼にとっても予想外だったかも知れません。ですが、何者かが介入してくることそのものは、想定していたと考えられます。それも、僕ら――つまり、管理局以外の」
思わぬ発言だった。慎重に先を促す。
「根拠はあるのかしら?」
「はい。まず第一に、あの時御神光はこう言いました。『そこまでするのか』と」
つまり、御神光はあの金髪の少女に危害を加える可能性のある存在を知っていたという事だ。だが、それは誰だ?
「その何者か――仮に『主犯者』と呼びますが、『主犯者』が存在すると仮定した場合、御神光の行動にも説明がつきます」
主犯者。つまり、あの少女達に命じている何者かが存在する。なるほど、確かにそれなら色々と分かりやすくなってくる。
「御神光が今回の一件に介入してきた理由は、妹の高町なのはが事件に巻き込まれたからという事です。その後の僕……管理局への敵対行為も、高町なのはとあの少女達を未知の組織から庇うためと考えられます。どちらも、ジュエルシードは原因であって目的ではありません。つまり、御神光自身はジュエルシードを欲していないのではないでしょうか? もちろん『魔物』の件もありますから絶対にとは言えませんが」
「つまり、本当にジュエルシードを欲しているのはあの子達……いいえ、『主犯者』という事ね? そして、『主犯者』はあの二人にジュエルシードの捜索を強要している」
「おそらく。ただ、強要と一言で言いきってしまえるほど状況は単純ではないのかもしれません。むしろ、彼女は積極的にそれに取り組んでいるようにも見えましたから」
「確かに。強要されているにしては献身的すぎるわね。それに、光君も」
強制発動とは危険を伴う。彼女がそれを知らなかったとは思えない。そして、御神光の使った魔法は、明らかに深刻なダメージを彼自身に残した。
「その通りです。御神光があれほどの傷を負ってでも……そして、当初最優先で守ろうとしていた高町なのはよりも彼女を優先している以上、あの少女が極めて深刻な危険にさらされている可能性は否定できません。そして、おそらく彼はその危険の正体を知っていたと思われます。だからこそ、未回収のジュエルシードの全てが手に入るあの瞬間に襲撃を予想していたのではないかと考えられます。そして、この予想が正しかった場合、彼がジュエルシードの回収に協力していたのは、」
「その誰かと接触するため。と、言う事は……」
「御神光が命を狙う相手は、その『主犯者』である可能性が極めて高いと判断します」
「…………」
ブリッジに沈黙が流れる。クロノが昨日の時点で言い出さなかった以上、これは一晩かけ
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