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その魂に祝福を
魔石の時代
第四章
覚悟と選択の行方1
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いように扱おうとするなら――それなら、仕方がない。丁重に――そして、早々にお引き取り願うとしよう。
 あの子達は私達の家族で、それを守るのは他ならぬ私達の役目なのだから。
(いつまでも弟におんぶにだっこじゃ格好がつかないしね)
 私にだってその程度の覚悟はある。そのつもりだ。
「あの子――フェイトちゃんか。彼女の家についてはある程度目途がついた」
 あの日からずっとそれを探っていたらしい恭也が言った。
「でも、あの様子ならもうそこにはいないんじゃない?」
「あの子はな。だが、光はいるかもしれない。そうでなくても、伝言を残すくらいはできるかもしれない」
「それもそうね。どうやら、今は別行動中みたいだし」
 いや、違うか。あの様子なら光が自分の意思で別行動をしているとは考えにくい。むしろ、別行動を取らざるを得ない何かがあったと考えるべきか。
「それで? ここ最近、お前は一体何を作ってたんだ?」
「別に? 何か面白い玩具を拾ったからちょっと弄り倒してるだけよ」
「そもそもその玩具は俺が拾って来たんだろうが。……この寒い中海の中に潜ってまで」
「感謝してるわよ。お陰で私の可愛い可愛い義弟と義妹を弄んでくれたお礼ができそうだものね」
 アレも大分いい感じに仕上がってきた。客人をもてなすくらいはできるはずだ。
「……今ちょっとだけ、管理局とやらに同情してもいいかなって気分になったよ」
 とはいえ、恭也は止めようとはしなかった。その代わり、ただこう言った。
「使いどころは誤るなよ」
「ええ。私だってあの子達の足は引っ張りたくないもの」
 あれをいつどうやって使うか。全ては管理局とやらの出方次第だが――何であれ、光には色々と世話になっている。そろそろ少しくらいその恩を返すのも悪くない。




「ダメです。捜索範囲にジュエルシードの反応ありません」
「そう……」
 昨日――なのはが離脱したその日、何者かによる攻撃により、アースラはしばらくの間航行不能に追いやられていた。破損ヵ所の修復と、シールドの強化には二日かかる。事態がどのように推移しようと、私達は二日間ろくに身動きが取れないという事だ。
 その中でできる事というのは、それほど多くない。その中で優先しなければらならないのは、やはりジュエルシードの回収だろう。それも、高町なのはの保有している五つではない。海上にて御神光が確保していたはずの五つの方が優先度は高い。
(なのはさんが持っているのは、適切に封印、管理されているけれどね……)
 陰鬱な気分で、モニターを操作する。映し出されたのは、御神光の映像――正確には、一連の映像から抜き出した数枚の静止画だった。
 まず、最初の一枚を大きく拡大する。
(理由からしてこれは明らかに熱傷。その範囲はおそらく全身に及んでい
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