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その魂に祝福を
魔石の時代
第四章
覚悟と選択の行方1
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る。
「じゃあ、フェイトって子は?」
「話の流れからすれば、あの日この屋敷に忍びこんできた金髪の子じゃないか?」
 その子の写真は、私も見せてもらった。アリサに負けず劣らず可愛い子だったし――微妙に色合いは異なるが、綺麗な金髪だった。すずかの予想と照らし合わせても、まず間違いないだろう。
「それにしても、これってかなり危険な状況なんじゃない?」
 あの子の傷の度合いは、すずかから聞いている。自分で魔法を使って癒していたようだが、それでも完治していない――というより、ろくに使えていないようだった。やはり相当な重傷だからだろう。そして、彼女――声から察するに女性だろう――にあれだけの傷を負わせた相手の元に、あの少女はいるらしい。どれだけ楽観視したとしても、危険な状態だと言わざるを得ない。
「ああ。しかし、管理局とやらは魔法使いが構成する警察のようなものらしい。少なくともなのははそう言っていた。何故そっちに助けを求めない?」
「いえ、彼女は身柄を引き渡してもいいと言っていたわ。だから、あの子は何かしらの犯罪に手を染めていたんじゃないかしら……」
 それを考えると、必然的に光もそれに関与していたと言う事になる訳だが。
「光は『魔法使い』でしかも掟破りだそうだからな。あの子達を助けるためなら、法の一つや二つ平気で破るだろうさ。それが必要な限りな」
 私の懸念を読み取ったのだろう。やれやれと言わんばかりに、恭也は肩をすくめて見せた。どこまで本当かはともかくとして……御神光が言う『魔法使い』とは、正義のための人殺し――つまりは『必要悪』の代行者に過ぎない。それを実行する際には手段を選ばないし、そのうえで光は必要とあれば、その掟さえも破り続けてきた存在であるらしい。
 ……何というか、司法組織にとっては厄災のような存在かもしれない。
(まぁ、私達姉妹は、そんな彼に何度も助けてもらった訳なんだけれど)
 と、それはさておき。
「それに光は管理局とやらを知らなかったらしい。この世界にもそんな組織は存在しない。なら、少なくともあいつが裁かれる理由もないだろ。その法そのものが存在しないんだから」
「それはそうだけどね」
 ただ知らないのではなく、初めから庇護下にない。それなら、裁かれる理由もない。勝手をしているのは、どちらかといえば管理局の方か。
(まぁ、必要な事なんでしょうけれどね)
 私達のような少々特殊な存在は他にも心当たりがない訳ではないが――それでも、ジュエルシードとやらに対処する方法はこの世界にほとんどない。光という例外を除けば皆無といっていいだろう。管理局とやらは必要だからこそ存在し、今回も介入してきているのだろう。とはいえ、今回の一件は元を正せば向こうの不始末が原因だ。その後始末だけならまだしも、義理の弟に危害を加え、義理の妹をい
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