第四章
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ばない顔を彼に見せながら述べる。
「胸は。大きいよりはね」
「小さい方がいいのかよ」
「うん。そうなんだ」
そう純也に語る。
「実はね」
「だったら今はどうなんだよ」
「複雑なんだよ」
彼はそう言って首を傾げさせた。
「胸が大きいのはそんなに好きじゃないから」
「じゃあどうするんだ?」
純也はそこを高志に問う。
「別れるつもりはないんだろう?」
「それはないよ」
これに関しては否定する。
「何でそんなことする必要があるんだよ」
「いや、それはやっぱりな」
純也は高志に対して言う。
「胸が大きくなったから。それでな」
「絶対にないよ。だってその胸は」
ここで高志は言うのであった。はっきりと。
「僕の為に大きくしたんじゃない」
「ああ」
それは紛れもない事実だった。純也もそれははっきりとわかる。
「僕の為にそこまでしてくれた人と別れるなんて。絶対に嫌だよ」
「それだけ御前が想われてるってことだからな」
「それだけじゃないよ」
彼はそこに言い加えた。
「それもあるけれどね」
「それだけじゃないのか」
純也はそれを聞いて首を傾げさせた。それが何なのかは彼にはわかりかねたのだ。
「それって何だ?」
「努力してくれたじゃない、これも僕の為に」
高志が言うのはそれであった。
「必死に。そこまでしてくれるなんて思わなかったから、僕も」
「そうだよな。普通はしないよな」
純也はそれを聞いて腕を組んだ。そうしてうん、うんと頷くのであった。
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