暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos45-B空翔ける騎士/蘇る闇の欠片〜Fragments〜
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剣を引き上げるようにして我と自分との間に大剣を入れて盾とした。構わずに大剣の腹に一撃目を打ち込むと、「ぅぐ・・・!」アウグスタが苦悶の声を漏らした。

「走破ッ!!」

「きゃぁぁぁぁぁ!!」

二撃目で大剣をへし折る。半ばで折れた大剣の先端側の刃が宙を舞う。我の重さに耐えかねたアウグスタは大剣の柄を離しており徒手空拳となっていた。呆けていたアウグスタの腹へと「うおおおおおおおおおッ!!」拳打を打ちこんだ。

「ごふっ・・・!」

女性らしく華奢な体格であるアウグスタは我の一撃で十数mと飛び、地面を何度か跳ね転がった後で止まった。歩み寄る中、アウグスタは四肢をついて立ち上がろうと試みているが、結局それは叶うことはなかった。

「っ? 体が、私の体が、崩れて、消えて、無くなってしまう・・・!?」

「醒めるのだ、永き悪夢から。恐れることはない。それはお前にとって救いでもある」

「救い!? ベルカの天地に覇を成してこそ私は救われるのよ!」

アウグスタは蹲り、両拳を何度も地面に叩き付けた。消滅するその瞬間までずっと。我は踵を返し、泣き喚くアウグスタに背を向けた。そして「・・・申し訳ありません・・・グレゴール様・・・」微かな声で何かを呟いた後、もう背後からは何も聞こえなくなった。

†††Sideザフィーラ⇒ルシル†††

どうも、ルシルです。残滓を狩り続けること数時間。気が付けば地平線に朝日が昇り始め、朝焼けに目を細めています。ふっ、太陽が眩しいぜ♪とか、市街地上空を飛びながら思っている。

「お父様ぁ〜? 小さくて抱き心地が最高です♪ あ〜ん、離れられないです?」

「・・・・あのさ、プリム。そろそろお前も・・・」

「いーえ、ダメです! お父様が戦に出るというのであれば、娘である私も共に戦うのが当然! この戦が終わったら・・・ちゃんと消えますから、それまではお父様のお側に居させてください」

俺を後ろから抱きしめているプリムが寂しげに言った。マテリアルの姿を模した残滓たちを束で相手にしたにも拘らず無傷で撃破し、自慢の雷撃で消滅させた。その後すぐ、俺が置かれている状況を伝えた。
プリムの意識年代は堕天使戦争勃発後で、“戦天使ヴァルキリー”や“ノルニルシステム”の凍結直前のものだった。当然、イヴ義姉様、カーネル、フォルテシアの戦死も知っていた。その後のアンスールの結末や俺の“界律の守護神テスタメント”化について話すかどうか迷ったが、俺の様子から察してくれたのかそう深くは訊いてくることはなかった。

「はぁ。プリム。もしこの時代での俺の友人から通信が入った時、俺のことは名前で呼んでくれ」

「はい、判りました。では、ルシリオン様とお呼びしますね♪」

「あー、まぁ、それでいいや。セインテス
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