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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos45-B空翔ける騎士/蘇る闇の欠片〜Fragments〜
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官補の話では、この辺りというが・・・」

空を翔けて魔力反応を探る。そしてその反応を捉えることが出来た。眼下に広がる草原。高度をギリギリにまで落とし、反応へと向かって飛ぶ。徐々に残滓の輪郭が確かとなって行き、「お前は・・・」その姿を確りと捉えることが出来た。

「どこ?・・・どこなの?・・・私の闇の書・・・!」

肩に掛かるほどの薄緑の髪を揺らし、獣のような黄金の瞳をぎらつかせ、その身に纏う白銀の甲冑を鳴らす女、我ら守護騎士のかつての主であり、ナハトヴァールという凶器の産物を“闇の書”に組み込んだ者――アウグスタ・マリー・カタリーナ・ルイーゼが、そこに居た。

「死してなお、闇の書より解放されてもなお、こうして悪夢に彷徨わねばならぬとは、お前も哀れだな」

「っ、盾の守護獣!・・・どこに、どこに行っていたの!? 今すぐ戦装備に着替えなさい! 敵はすぐそこまで迫っているのよ!」

ヒステリックに叫ぶアウグスタ。かつては怒りとも憎しみとも抱いた者だが、こうなっては哀れむだけだ。かつての主であるあの者に我が出来ることはただ1つ。あの者の悪夢を今度こそ終わらせるのみ。

「アウグスタよ。もう眠るがいい」

草原に降り立つと同時に地を蹴ってアウグスタへと向かう。両拳を強く握り締め、「ふんっ!」振り被った拳をアウグスタへ目掛けて繰り出す。アウグスタは目を見開き驚愕の色を表情に浮かべるが、背負っていた大剣を目にも留まらぬ速さで引き抜き、その腹で我の拳を防いだ。

「主に向かって殴りかかるとは何事か!」

薙ぎ払われる大剣を一足飛びで後退して躱し、振り戻されるより早くに最接近し左の拳打を繰り出す。首を傾けることで躱したアウグスタへ右の拳打を放つ。それも首を傾けて躱し、「今すぐやめよ!」と命令を下した。

「その命は聴けぬ。すでにお前は我らの主ではないのだから」

連続で繰り出す我の左右の拳打を、紙一重を狙って躱し続けるアウグスタへそう告げる。あの者は「世迷言を!」と聞く耳持たずという風に我の繰り出した左拳打をまた紙一重で躱し、空いている右手で我の手首を鷲掴み反転。そのまま我を背負い投げした。
宙に放り出される感覚を得る。背中から地面に叩き付けられるのを防ぐために、しっかりと両足で地面を踏み付け、腹筋の力で体を起こす。直後、「むっ・・!」我の背中に叩き付けられる痛み。アウグスタの大剣の腹が打ち付けられたのだ。すぐさま反転し、あの者と向かい合う。

「烈火の将、紅の鉄騎、風の癒し手、そして管制融合騎は今どこに居るの!? 私が主ではないなどと世迷言を言っている暇があるのであれば、急いで連れてきなさい!」

振り上げられた大剣が勢いよく地面を打った。穿たれて大穴を開ける地面。そして我に向かって飛来してくる岩の礫。それらを障壁
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