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胸よ大きく
第一章
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 素子の彼氏であり小笠原高志である。今時の茶髪の少年である。高校の同級生であり一年の頃からの付き合いなのである。
「だからよ。背はどうでもよくて」
「そんなに言うんだったらブラだけで満足しないことね」
 佐代はまた言ってきた。
「いい?肝心なのは」
「肝心なのは」
 素子は殆ど無意識のうちに身を乗り出していた。そうして同じく身を乗り出していた佐代の言葉を聞くのだった。
「食べ物よ」
「食べ物なの」
「そう、まずはね」
「ええ」
 真剣な顔になっていた。その顔で佐代の話を聞く。
「牛乳を考えるでしょ」
「やっぱりそれじゃないの?」
 さっきの話にも出たが胸を大きくするのはやはりそれが一番だというのは定説であった。本当に効果があるかどうかはまた別の問題であるにしろ。
「それだけじゃ駄目よ」
 しかし佐代はさらに付け加えるのだった。
「まだね」
「じゃあ他には何が必要なの?」
「キャベツがいいらしいわ」
「キャベツが!?」
 素子はそれを聞いて少し素っ頓狂な顔になった。これは意外だった。
「何でも頑張って食べると胸が大きくなるらしいわ」
「へえ」
 意外だったがいいことを聞いたと思った。聞けばそれをやってみようと思うのもまた人情である。今の素子も丁度それであった。

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