思い出-メモリーズ-part1/半妖精の友達
[10/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
本当は許されていません。父が王様の弟なだけあって生活に不自由はありませんでした。でも、外を飛びつ付けている鳥がとても自由で羨ましいと思っていました。私も、いつか生まれ変わったら空を飛んで自由に外の世界を飛び回ってみたい。でも、私は外の世界で暮らすことはできません。だからきっと、こうして屋敷の窓から外の景色を眺め続けていくんだろうって思っていました。
でもある日、私は窓からいつものように空を飛ぶ鳥たちを眺めていました。その日見つけたのは、飽きるほど見続けてきた鳥とはまた異なるものでした。
草陰に隠れている、大きな毛むくじゃらの何かがいたのです。見間違い価値思って最初は負うっておいてました。でも次の日から、その何かは確かに私の屋敷の敷地内の森の草陰に隠れていたのです。その何かは、森の草陰に隠れてはいましたが、それ以上敷地に踏み込むことはありませんでした。
私は、好奇心が湧き上がり、その正体を確かめることにしたのです。もちろん私が外出することを、使用人の人たちは許してくれません。父と母が王様から、エルフをかくまった罪を問われてしまうからです。けど、ずっと屋敷の中で軟禁されていたも同然だった私の好奇心は、いつしか父たちへの遠慮を勝っていました。私は隙を見て屋敷の庭から出て、誰にも見つからないように敷地を回りました。窓から見えた『それ』の正体を知りたい。ただそれだけのために。
私は、草陰に隠れたまま興味深そうに屋敷を見ている『彼』を見つけました。その子は私に見つかったのを知ると、怯えた様子で森のもっと奥の方へと隠れだしました。ちょっと怖い気持ちはあったと思います。外に出たことのない私にとって犬や猫も滅多に見ない存在でしたから、いきなり異様な姿をした生き物を見たらびっくりします。でも私は、大きなクマのような体で、優しい目をしているその子に言いました。
『あなたは、だぁれ?』
「誰…なの…?」
意識を手放していたテファは、眠りについたままうわごとで何かを言い続けていた。そこの寝心地が悪かったのか、今の言葉をぼやいた直後、彼女は目を覚ました。
自分が寝ていたのは、洞窟の石畳の上だった。洞窟は薄暗くて、濡れてはいないが空気がじめじめしている。慣れたベッドの上と比べてあまりにも固い。だが、不思議と背中は痛みを感じていなかった。自分の寝ていた場所に、鳥の巣のように藁が何重にも敷かれていた。体を起こしたテファは周囲を見渡す。藁の寝床の周りには、いくつもの木の実が散らばっている。自分が食事の際に皆によく出しているものと同じものがたくさんだ。誰かが、自分を助けてここへ運んでくれたのだろうか?いや…それは考え難い。自分はハーフエルフだ。誰かが見つけたところで、あの時自分を浚った盗賊のように、体目的で近づいてきた場合がある。助けたところで、自分に何かよからぬこと
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ