思い出-メモリーズ-part1/半妖精の友達
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のある紋章が顕となる。紫色の輝きと、サイトやシュウの持つ使い魔のルーンとよく似た、古代ルーン文字が刻み込まれていた。
その紋章が彫像…『ガーゴイル』にも現れ、ただの像だったはずのガーゴイルは動き出した途端、窓の外へと飛び出していった。
村を出て結構な場所までやってきたが、テファのいた痕跡さえ見当たらなかった。これは結構手を焼くな、とシュウは思った。
今、シュウは山道を通っていた。まさか、あの怖がりにしか見えないテファが、真っ暗な夜の間にこんな場所を通ったら危険だということを知らないわけがない。一歩足を踏み外したら、すぐ脇の急な斜面に足を取られてしまう。引き返して別の場所を探してみようかと考えた時だった。
「…!」
シュウは足元を見やる。そこには足跡があった。しかも、自分が履いている靴とは違う形の足跡、若干自分の足より小さいサイズだ。その足跡の先の斜面に、何かが滑り落ちたあとがあった。まさかと思い、シュウはその斜面をわざと滑っていった。油断して落ちたテファとは違い、用心しながら滑ったので怪我はなかった。斜面の麓につくと、そこに足跡はなかった。代わりに、今度は人間のものとは思えない足跡が、道なりに残っていた。シュウはその足跡をたどりながら、山の中を探し回った。
しかし、近くの小川を通ったその時、川の水面に何かが映っているのを見つけた。空を飛んでいる何かが、上空からこちらを見下ろしていた。
一方で、そんな彼のいる山の上空に、先ほどシェフィールドが飛ばしたガーゴイルが空を飛んでいた。シェフィールドはそのガーゴイルの目を通して、その場一体の景色を見ることができた。彼女がクロムウェルの使い魔であることは虚構だが、『虚無の使い魔』という点は真実だったらしい。ガーゴイルの目を通して周囲を探ると、彼女は地上にて、ちょうど小川のほとりでテファを探している青年…シュウを見つけた。
(…黒い髪?)
ハルケギニアでは黒髪は珍しかった。さらにシェフィールドが不思議に思ったのは、シュウが来ている服と、もっている武装だった。それを見た時のシェフィールドは、目を見開いていた。
(まさか、地球人!?)
宇宙に進出したことのないはずの異世界の人間であるはずの彼女は、なぜか地球のことを知っていたようだ。シュウの持ち物と服装から、彼が地球の人間であることを勘ぐった。
(…捕まえて、どんな素性の持ち主か探る必要があるかしらね)
シェフィールドは、ガーゴイルにシュウの後をつけさせることにした。まずは見つからないように…と思っていたその時だった。
突如背後を振り返ったシュウが背後を振り返り、ブラストショットでガーゴイルを撃ち落とそうとした。
『!』
思わぬ不意打ちを喰らいかけたものの、いち早く反応したシェフィールドはガーゴイルを避けさせる。さらに数発
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