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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
思い出-メモリーズ-part1/半妖精の友達
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う、クロムウェル…あんな使えない地方の元司教とやらにいつまで仕えなくてはならないのかしらね」
このシェフィールドと言う女、クロムウェル使い魔兼秘書と言う立場でありながら、クロムウェルのことを内心では格下に見ており、嫌悪していたようだ。
「あいつに持たせたあの『アンドバリの指輪』がなければ、奴は虚無の担い手でもなければメイジでもない、ただの身の程知らずの平民だというのにね」
もしここに、レコンキスタに参加した貴族が聞いていたら耳を疑っていたに違いない。自分たちが伝説の力『虚無』の担い手であるクロムウェルが、実際はレアなマジックアイテムを身に着けただけのしがない平民だった。誇り高き貴族が、ただの姑息な平民に言いようにされたと思い、クロムウェルに復讐にかかる未来が容易に見えてくる。シェフィールドは秘書兼使い魔、とは表では名乗っていたようだが、クロムウェルの使い魔であることはまるっきりの嘘だ。
しかしそれが、彼女が『使い魔』という枠組みから外れたわけではない。
「!…この声は…!」
すると、彼女は突如驚いたように顔を上げて目を閉じる。
「い、いえ!決して不満があったわけではありません!……はっ、私の失言に対してもそのようなお言葉をかけてくださるとは、その寛大なお心に感謝いたします」
まるで電話で通話先の相手と話をしているかのようだった。だが、彼女の手元には何一つ、電話系統のものはない。はたから見たらただの電波女にしか見えないようだが…。
「…本当にアルビオンに、ご主人様と同様に…いるのでしょうか?……い、いえ!我が主の言葉を疑ったことなど…このシェフィールド、神に誓ってございません!」
それにしても、シェフィールドは話し相手には頭が上がらない…いや、心酔しているあまり逆らう気さえないと言うべきだろうか。さっきから色々と言いつくろっているように聞こえる。
「…はい、わかりました。あなた様のご命令とあらば」
笑みをこぼしたシェフィールドは、どこからか紫色のラインが走る携帯機器を取り出し、傍らには一体の石像で構築された悪魔の彫像を従えると、部屋の窓を開けた。
(それにしても、昨日私の『ガーゴイル』を潰したあの化け物…それに、そいつがやたら必死に庇っていた奴が気になるわね。始末しようかと思ってたけど…)
ふと、夜の森にもかかわらず徘徊していた『小娘』と、その人影を庇った怪物のことを思い出すシェフィールド。実は昨日『ガーゴイル』の目を通してシェフィールドは、この場所とは全く異なる森の中の景色を見つめていた
その二つの存在、森を歩いていた小娘と怪物、何かあると踏んだ彼女は、ある決断を胸中で下す。
「目指す場所は、まずは『サウスゴータ』よ。さあ、お行きなさい」
彼女が悪魔の彫像を見ると、彼女の髪が風になびくようにゆらゆらと揺れた。そして額に見覚え
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