暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
思い出-メモリーズ-part1/半妖精の友達
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る。その一つとして、どちらかが危機的状況に陥ると、相手の視界・聴覚を共有することができるというものだ。その共有した視界の中で、テファはシュウがネクサスに変身し、危険な戦いに身を投じたときの光景を目にしてしまった。ただ一つ幸いだったのは、視界がシュウ=ネクサスの視点だったために、彼の変身した姿は見えない、つまりシュウがウルトラマンになれることまでは気づいてないままだった。
子供たちを寝かしつけた直後、それらを見てしまい衝動に駆られた彼女はシュウを探しに村を出て、彼を探しまったのだが、彼の姿は残念ながら見当たらなかった。それどころか彼女は山道に差し掛かったところで、すぐ脇の急斜面に足を滑らせてしまったのだ。何十メートルもの斜面を転がり、頭を打ってしまったせいだろうか。彼女は意識を手放していた。もしこんな森の中で少女が一人倒れた姿を、どこかの悪漢が見つけたら黙ってみてはいないだろう。あまりにも今の彼女は無防備だった。
天はよほど彼女に対して無慈悲なのだろうか。気絶していた彼女の傍らに、クマのような大きな影が、彼女の顔を覗き込んでいた。



ウエストウッド村近くの森に、突如飛来してきた石像から雫が落ちるように、一つの光が降りてきた。
ウルトラマンの力を持つ青年、シュウである。アリゲラを撃破したあと、テファたちに悟られないように早めに戻ってきた。そのため、服の上からだとよく見えないものの体のあちこちにわずかに傷跡が残ってしまった。
なんとか誤魔化し通したいところだな。シュウは服の下の傷を見ながら呟く。
村へ駆け出し、無事村に戻ってきたのだが、村の様子が妙に慌ただしかった。子供たちが庭に出て口々に叫んでいる。
「お姉ちゃんどこーー!」
「テファ姉ちゃーーーん!」
シュウは何も言わなかったが、無表情な彼の顔にわずかな変化があった。何か異常な事態が起こった、それを警戒しての表情だった。子供たちのいる村の広場にやってくると、シュウの帰還に気が付いた子供たちが一斉に駆け寄ってきた。
「兄ちゃん!お姉ちゃんを見なかった!?」
ジムがひどく動揺した様子でシュウに尋ねる。
「いや…俺も今戻ってきたからわからない。何があった?」
「テファ姉ちゃんがいなくなっちゃってたんだ!」
「…何?」
シュウはこれを聞いて耳を疑った。いなくなったってどういうことだ?あのティファニアが村の外に、チビたちを残して無断で飛び出していったと言うのか?それとも…。
「また誰かに誘拐されたのか?」
「ううん。もしそうなら、テファ姉ちゃんの悲鳴が聞こえてたはずだもの」
今のシュウの問いにエマが答えてくれた。確かに、先日テファを浚おうとした人攫い集団程度なら、物静かに人ひとりを浚うことなどできない。被害者が悲鳴を上げればすぐに何が起こったのかばれるものだ。だが子供たちの話
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